No.87への返信

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  • 切望 暴走黒×赤(銀黒前提

    暴力有・ゴウカン系です

    ■■■

    塗りつぶされたように暗かった視界が漸く開けてきた。

    其処に現れたのは…。

    眼前に現れた融合体に向かって
    「てめぇだけは俺が殺す!」咆哮し、武器を振り下ろした。だが、肉を裂く手応えはない。
    逆に振り下ろした武器を掴まれ、体ごと投げ飛ばされた。
    飛ばされたままの勢いで地面に背を強かに打ちつけ、息が止まる。痛みに蹲る其処へ、敵は唸りをあげ剣を突き立ててきた。転がり避け、間合いを取る。攻撃を受け止め反撃するためにも武器がいる。投げ飛ばされる際に手放してしまったそれを求め、身構えながら視線を走らせた。その背後に転がっているそれを見つけ、歯噛みする。

    スピードもパワーも明らかに競り負けている。
    あれをやり過ごし、武器を拾いあげ反撃するまでいけるか。
    いや、いって反撃しないことには仇は討てない。

    「やるしかねぇんだ」
    正面から突っ込み、動揺した隙を狙って回り込めば。
    だが正気でない相手に、それが通用しないと気付いたのは後の祭りだった。
    「この…」締め上げてくる手を殴りつけるがびくともしない。逆に更に軋む音と共に締め上げられる力が増していき、自ずと酸素が足りなくなる。頭の中に靄がかかり、引き剥がすべく相手の腕へと掴みかかっていた指に力が入らなくなり滑り落ちた。

    このまま…。

    突然、締め付けられていた気道が緩み、勢いよく流れ込んできた酸素に咽た所を狙うように鳩尾を殴られ地面に叩きつけられ衝撃で体が跳ねる。息を吐き出し、痛みに堪える中、眼前には望んでいたものが入ってきた。

    結果的には問題ない。

    震える手で掴み上げ握り締める。

    みすみすこの機会を逃してたまるか。

    振りかざし、懐に入り込まれないよう振り回し切り付けた。
    動じることなくあっさりといなされ蹈鞴を踏む。振り向き次の一撃を打ち込もうと腰を落とす。
    だが、また掴まれ投げ飛ばされた。壁に激突し、後頭部を強かに打ちつけ視界が急激に狭くなっていく。
    意識が遠くなりそうになるのを引きとめるべく頭を振る中、腹を突き上げられその勢いで再度壁に後頭部を打ち付けられそれを何度も繰り返された。頭の中に嫌な音が響き渡り、眼前に居る筈の敵を視認する事も出来ず目の前がただ赤く染まっていく。片腕を取られあらぬ方向に曲げられ、痛みに顔を背けたヘルマンにジョセフが顔を近づけ生暖かい吐息と共に問うてきた。
    「なぜ請わない?」
    「お前なんかに請ってたまるか…」仇に請うなど矜持いやゲルトの事を思えば尚更だろう。
    「そうか…」更に腕を捩りあげられ歯を食いしばり、自由になるもう片方の拳で迫る相手を突き放すべく胸板を叩きつけた。その攻撃が鬱陶しいとでもいうように、あらぬ方向に捻あげた腕を掲げ、壁に打ち付け刃を突き立てた。痛みに体を竦めはしても悲鳴はと耐える姿に首を微かに傾げ再度訊ねた。
    「既に一度堕ちているのに何故耐える?」
    「自分の意志でなった訳じゃない!俺は…俺は…」怒りに震え腕に刺さった剣を握りしめる姿に肩を揺らし、足もとに落ちていた武器を拾い上げ向き直り、
    「なら今度は、実感すればいい」抜こうとする手へ手を重ねてきた。次の瞬間、新たな衝撃に咆哮し、ヘルマンの体が大きく震え、融合体から人の姿へと戻る。
    とりあえず痛みをやり過ごそうと荒く息をつくヘルマンに
    「どうだ?」とだけ声がかけられた。
    「こんなぐらいで誰が…XATを舐めんな…」睨み上げ、これ以上の出血を防ぐべく腕の付け根を無理矢理抑え付け新たな痛みに唇を噛み締め嗚咽を堪えた。
    「反撃することも、逃げることも叶わないのにか?」

    そんな問題じゃない…。そんな…。

    頭を振り、叫ぶ。
    「ゲルトを…チャンプを殺した奴に屈してたまるか!」
    「奴は自ら殺して欲しいと望んできた」
    「それでも殺す必要なんかなかっただろ!!例え融合体だっとしても、ゲルトの内面は、理性は人間のままだったんだぞ!」
    顔をあげ喚くヘルマンの濡れた頬へ固い指が触れてきた。微かな痛みに顔をしかめた瞬間、爪をたてられたことに気付いた。血と涙が混じったそれが空気に溶け込み消えていく見せつけてきた。
    「既に人ではない」
    「そんな事は分かってる…」
    「完全に理解してはいないだろう?まだ自分は人間の部分が残っていると願いたい。そんな妄想を抱いているからくだらない希望的観測にしがみつく」
    これが人間ではなくなった姿だとでもいうように近づけられた顔から視線を背け
    「違う!!!」否定する言葉を
    「違わない」即座に否定する。変身を解き、ヘルマンの顎に手をかけ、己の方へと向き直らせ視線を重ねたまま問い掛けた。
    「なぜ受け入れ、昇華しようと思わない?」
    「誰が…」

    認めた時点で終わりだろう…。

    出血のためいつもの覇気は失っていても、屈してはいない。その瞳の色から何かを思い出したかのように
    「そういうことか…ザーギン」ジョセフは呟き口元を綻ばせた。
    「確かに有効な手段だ。そうか、だからか…」
    まるで気がふれたかのように一人呟く姿にヘルマンは頬を引き攣らせ息を飲んだ。
    このままここに居るのは危険だと判断し、腕を貫く武器を引き抜こうとするが、流れ出る血で手や足許が滑り、思うようにならない。そんなヘルマンの姿に気づき怪我をしていない方の腕を掴み壁へと抑えつけた。
    「お前は弱い」
    そんな事は分かっているからこそ、怒りを露わにするヘルマンに対し赤い光を宿した双眸が近付いてくる。壁に張り付けられ思うように動けない中、寄るなと腹を蹴りあげるが、固い感触に顔を歪めた。
    蹴り上げた個所だけを融合体へと変化させ、相手の浅慮をあざ笑うかのように口許のみを歪め膝を掴み上げそのまま握り絞めてきた。そして爪をたてられた。
    皮膚が裂かれる痛みと音に歯を食い縛る。 その苦悶の表情をもっと見せろとでもいうように近づいてくる指から逃れるべく頭を振り、その拍子に目眩に襲われ、目蓋を閉じても治まらないそれに小さく悪態をついた。

    原因なら分かっている。血を流し過ぎたせいだ。普通だったらとっくに…。そうだ。自分は既に。

    未練がましさに思わず失笑が洩れた。

    そうだ。俺はもう。

    打ち付けられてはいない方の指先の感覚も既におかしくなってきている。

    それでもだ。これぐらいで…。

    殴りつけ叩き伏せるべく拳を強く握り締め、重くなりつつある目蓋を必死に持ち上げ機を伺う。 再度指が伸びてきた。

    そうだ。そして顔が近づいてきたら…。

    だが、近づいてくる顔は止まることなく、更に近づいてくる。
    鼻と鼻が触れ合い、思わず口を開き小さく声を上げた瞬間、舌を差し込まれ、噛み千切ろうとした瞬間、顎を抑えつけられ逆に己の舌へと絡み付かれた。

    なっ…。

    冗談でアルとかから男同士でもという話を聞かされたことはある。だけど自分はゲルトとでさえもふざけあってハグをしあったくらいで。 唇を舐め上げられ、悪寒が走った。
    驚き震える反応を楽しむかのように唇を啄み、指を喉へと這わせてきた。
    目を見開いた先には、笑みを湛えた顔があった。
    「ふざけるな!」咆哮し持ちうる限りの力で拳を振り下ろした。殴り付けるはずだった拳はあっさりといなされ、打ち付けられたもう片方の腕と共に一纏めに打ち付けられた。

    [87] イヲリ (2008/08/26 Tue 00:15)


    まだおわってないんだよぅ

    この後はエロの予定んw

    [88] イヲリ (2008/08/26 Tue 00:26)


    おっと。

    ヘルマンが処女じゃないか、イヲリン……?(驚)
    よし!これからめくるめく一夏のタ・イ・ケ・ンが待ってるんですな!
    いやはや、ハードな文書に先が楽しみっす。
    #19のヨロヨロヘルマン思い出して萌え〜〜♪

    [89] はんちょ (2008/08/26 Tue 07:23)


    かっこよいっす!

    おお!バイオレンスかつハードボイルド的展開!
    始めの言葉実行しましょう!

    > 暴力有・ゴウカン系です

    楽しみにしてますよ〜

    [90] hanage3 (2008/08/26 Tue 15:11)


    Re^4: がんばっノシ

    つ・づ・き・っ!
    ものっそ楽しみにしております。

    処女な赤もいいね〜〜〜っ
    この場合はやっぱり最後まで痛がって終わらないとねw

    [91] イーゴ (2008/08/26 Tue 20:47)


    がんばるぅー!

    蜜柑なのにコメントありがとうございます。

    >はんちょさん

    処女の方がショックの度合いが増すと思ったですよう。
    あと書くんだったら処女とかの方が楽しいです(笑)

    >hanage3さん

    はーい。有言実行でえろ書いてますよう!
    ハードボイルドですか?!他の方と文字の傾向が違うのでちょっとビビってたんですが…最後まで突っ走りまーすよう!

    >イーゴさん

    痛がるのも勿論だけど、寧ろ壊れる感じにしたいなって思ってたりです(苦笑)
    キャパ越えて破裂しちゃう感じにしたいなと<行為じゃないよー。

    他のお姉さま方みたく一度に書きあげられないっす…orz。

    あと二回で終わる予定…です。すんません…

    [103] イヲリ (2008/08/27 Wed 17:52)


    切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版001

    書き直してる部分かあるので最初から。
    でも挿入までにはいってないです。

    ■■■

    塗りつぶされたように暗かった視界が、漸く開けてきた。

    其処に現れたのは…。

    眼前に現れた融合体に向かって
    「てめぇだけは俺が殺す!」咆哮し、武器を振り下ろした。
    だが、肉を裂く手応えはない。
    逆に振り下ろした武器を掴まれ、体ごと投げ飛ばされた。
    飛ばされたままの勢いで地面に背を強かに打ちつけ、息が止まる。痛みに蹲る其処へ、敵は唸りをあげ剣を突き立ててきた。転がり避け、間合いを取る。攻撃を受け止め反撃するためにも武器がいる。投げ飛ばされる際に手放してしまったそれを求め、身構えながら視線を走らせた。その背後に転がっているそれを見つけ、歯噛みする。

    スピードもパワーも明らかに競り負けている。
    あれをやり過ごし、武器を拾いあげ反撃するまでいけるか。
    いや、武器を拾い、反撃し凌駕しないことには仇は討てない。

    「やるしか…ねぇんだ…」
    正面から突っ込み、動揺した隙を狙って回り込む。
    だが正気でない相手に、それが通用しないと気付いたのは後の祭りだった。
    みしみしと軋む音が耳についた。
    「この…」締め上げてくる手を殴りつけるがびくともしない。逆に更に軋む音と締め上げてくる力が増していき、自ずと酸素が足りなくなる。頭の中に靄がかかり、引き剥がすべく相手の腕へと掴みかかっていた指に力が入らなくなりずるりと滑り落ちた。

    このまま…。

    突然、締め付けられていた気道が緩み、勢いよく流れ込んできた酸素に咽た所を狙うように鳩尾を殴られ地面に叩きつけられ衝撃で体が跳ねる。息を吐き出し、痛みに堪える中、眼前には望んでいたものが入ってきた。

    結果的には問題ない。

    震える手で掴み上げ握り締める。

    みすみすこの機会を逃してたまるか。

    振りかざし、懐に入り込まれないよう武器を振り回し切りかかった。
    だが、動じることなくあっさりといなされ、勢いを殺せず蹈鞴を踏む。振り向き次の一撃を打ち込もうと腰を落とそうとする前に、また掴まれ投げ飛ばされた。壁に激突し、後頭部を強かに打ちつけ視界が急激に狭っていく。意識が遠くなりそうになるのを引きとめるべく頭を振る中、腹を突き上げられその勢いで再度、壁に後頭部を打ち付けた。唸る様をよそに額を掴まれ、それを何度も繰り返された。頭の中には嫌な音が響き、眼前に居る筈の敵を視認し把握する事も出来ず、目の前がただ赤く染まっていく。
    攻撃が弱まり、ぐったりと壁に凭れかかる体から片腕を取られ、あらぬ方向に曲げられる。痛みに悲鳴が上がりそうになるのを堪え、顔を背けたヘルマンにジョセフが顔を近づけ生暖かい吐息と共に問うてきた。
    「なぜ請わない?」
    「お前なんかに請ってたまるか…」仇に請うなど矜持いやゲルトの事を思えば尚更だろう。
    「そうか…」更に腕を捩りあげられ歯を食いしばり、自由になるもう片方の拳で迫る相手を突き放すべく胸板を叩きつけた。その攻撃が鬱陶しいとでもいうように、あらぬ方向に捻あげた腕を掲げ、壁に叩きつけ刃を突き立てる。鋭い痛みに体を震わせ、唇を戦慄かせようとも俯き悲鳴を耐える姿に首を微かに傾げ再度訊ねた。
    「既に一度堕ちているのに何故耐える?」
    「俺は、自分の意志でなった訳じゃない!俺は…俺は…」怒りに震え腕に突き立てられた剣を握りしめる姿に肩を揺らし、足もとに落ちていた紅い武器を拾い上げ向き直る。
    「なら今度は、実感すればいい」抜こうとする手へ手を重ねてきた。次の瞬間、新たな衝撃に咆哮し、ヘルマンの体が大きく震え、紅く光り融合体から人間の姿へと戻り壁に寄りかかったままずるずると崩れ落ちた。
    脂汗を滲ませ、必死に痛みをやり過ごそうと荒く息をつくヘルマンに
    「どうだ?」とだけ声がかけられた。
    「こんなぐらいで誰が…XATを舐めんな…」睨み上げ、これ以上の出血を防ぐべく腕の付け根を無理矢理抑え付ける。新たな痛みに唇を噛み締め嗚咽を堪えた。
    「反撃することも、逃げることも叶わないのにか?」

    そんな問題じゃない…。そんな…。

    頭を振り、叫ぶ。
    「チャンプを…ゲルトを殺した奴に屈してたまるか!」
    「奴は自ら殺して欲しいと望んできた」
    「それでも殺す必要なんかなかっただろ!!例え融合体だっとしても、ゲルトの内面は、理性は人間のままだったんだぞ!」
    顔をあげ喚くヘルマンの濡れた頬へ固い指が触れてきた。ぷつっという音とともに微かな痛みに顔をしかめ、爪をたてられたことに気付く。血と汗が混じったそれが空気に溶け込み消えていく様子をまざまざと見せつけてきた。
    「既に人ではない」
    粒子となって消えていくそれに苦痛以外の感情が眉間の皺を深くする。
    「そんな事は分かってる…」
    「完全に理解してはいないだろう?まだ自分は人間の部分が残っていると願いたい。そんな妄想を抱いているからくだらない希望的観測にしがみつく」
    これが人間ではなくなった姿だとでもいうように近づけられた顔から視線を背け
    「違う!!!」否定する言葉を
    「違わない」即座に否定する。変身を解き、ヘルマンの顎に手をかけ、己の方へと向き直らせ視線を重ねたまま問い掛けた。
    「なぜ受け入れ、昇華しようと思わない?」
    「誰が…」

    認めた時点で終わりだろう…。

    出血のためいつもの覇気は失っていたとしても、まだ精神は屈してはいない。
    その向けられた瞳の色から何かを思い出したかのように
    「そういうことか…ザーギン」ジョセフは呟き口元を綻ばせた。
    「確かに有効な手段だ。そうか、だからか…」
    まるで気がふれたかのように一人呟く姿にヘルマンは頬を引き攣らせ息を飲んだ。
    このままここに居るのは危険だと判断し、腕を貫く武器を引き抜こうとするが、流れ出る血で手や足許が滑り、思うようにならない。
    そんなヘルマンの姿に気づき怪我をしていない方の腕を掴み壁へと抑えつけてきた。
    「お前は弱い」
    そんな事は重々承知しているからこそ、怒りを露わにするヘルマンに対し赤い光を宿した双眸が近付いてくる。上半身を壁に張り付けられ思うように動けない中、寄るなと腹を蹴りあげるが、固い感触に顔を歪めた。
    蹴り上げた個所だけを融合体へと変化させ、相手の浅慮をあざ笑うかのように口許のみを歪め膝を掴み上げそのまま握り絞め、そして爪をたてられた。
    皮膚が裂かれる痛みと音に歯を食い縛る。 その苦悶の表情をもっと見せろとでもいうように顔へと近づいてくる指から逃れるべく頭を振り、その拍子に目眩に襲われ、俯いた。目蓋を閉じても治まらない眩暈に小さく悪態をつく。

    原因なら分かっている。血を流し過ぎたせいだ。普通だったらとっくに…。
    そうだ。自分は既に。

    己の未練がましさに思わず失笑が洩れた。

    そうだ。俺はもう。

    今は自由の利く指先の感覚も既におかしくなってきている。

    それでもだ。これぐらいで…。

    殴りつけ叩き伏せるべく拳を強く握り締め、重くなりつつある目蓋を必死に持ち上げ機を伺う。 再度指が伸びてきた。

    そうだ。そして顔が近づいてきたら…。

    だが、近づいてくる顔は止まることなく、更に近づいてくる。
    鼻と鼻が触れ合い、驚き思わず口を開き小さく声を上げた瞬間、舌を差し込まれた。噛み千切ろうとした瞬間、顎を抑えつけられ逆に己の舌へと絡み付かれ吸い上げられた。

    なっ…。

    冗談でアルとかから男同士でもという話は聞かされたことがある。
    だけど自分はゲルトとでさえもふざけあってハグをしあったくらいで。

    唇を舐め上げられ、背筋に震えが走る。その間も唇の動きは休むことはなく、寧ろ、驚き震える反応を楽しむかのようにヘルマンの唇を啄み舐めあげ、更には指を喉へと這わせてくる。
    薄らと目を見開いた先には、笑みを湛えた顔が見下してきていた。

    機を窺うなどという悠長な事は言っていられない、否、これ以上こんな事…。

    「ふざけるな!」咆哮し持ちうる限りの力で拳を振り下ろす。殴り付けるはずだった拳はあっさりといなされ、逆に手首を抑えつけられ拘束された。
    突き立てられていた剣を引き抜かれ、麻痺しかけていた痛覚が呼び戻され急激に襲い来る痛みに反射的に体が跳ねるが体ごと抑えつけられ、もう片方の腕と共に一纏めに再度打ち付けられた。
    骨が打ち砕かれた痛みと軋む音に顔を歪ませる。

    [147] イヲリ (2008/09/11 Thu 01:50)


    切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版002

    人間ではなくなっていても痛みは感じるのか…。

    絶え間なく襲い来る痛みに唸り、顎を引く。咽喉を鳴らす音が幾分小さくなった。それが面白くなかったか、相手の苦悶の表情を見るのが趣味なのか、それともそう簡単には逃れられないようにするためか、突き立てたそれを更に捩じ込み傷口を拡げてくる。
    肉を裂かれ、神経を断たれる鈍い音。
    その新たな痛みに体が暴れ、背中を強かに打ち付け衝撃にうっと吐き気をもよおす。逆流しかけた胃液を無理矢理飲み込み、漏れそうになる嘆きを防ぐべく唇へと歯を立てた。

    今も気を抜いた途端、痛みと悔しさから涙し、嗚咽するという醜態を晒してしまうだろう。

    自分でもそれは十分に分かっているだけに噛み締めた唇へ更に力を込める。
    ぶつりと鈍い音と共に鉄錆びくさい臭いと味が咥内に拡がっていく。
    その様を愉しむかのように、ジョセフの指が噛みしめた唇へと触れ、そこから鼻梁、頬へとなぞってきた。先程までの動きとは異なる繊細な動き。飽きることなく何回も繰り返され、粟立つ感覚から背筋を伝い、腰に響く感覚に奥歯を噛締めた。
    振り払う事も出来ずされるがままの状態に己の無力さを痛感されられじわりと視界が滲む。目蓋を強く閉じ遣り過ごす。その態度を気にする様子もなく顎に指をかけ持ち上げ、そのまま目尻を舌でねっとりと舐め上げてきた。
    その感触に首を竦め顔を反らす。それを追う様に汗ばみ湿った肌に吹きかかってくる吐息。堪らなくて、限界にまで顔を背けた。
    眼前に晒されたそれにジョセフの唇が緩やかに曲線を描き、近づいていく。
    突然の感触に思わず体が跳ねた。その反応が興味深かったのか、両手でしっかりと固定され、ねっとりと舌が這わされてきた。直ぐ傍から聞こえてくる水音。

    知ってる。これは…。だが、自分から仕掛けたことはあっても…。

    未知の感覚に、膝が震え、閉じていた筈の唇が開いていく。耳の中を舌が這い始めた。舐め上げられる度に、瘧のように体が震える。吸い上げられ、歯をたてられるとなにか居たたまれないものが背筋を駆け抜けていく。
    それを何回も繰り返されその度に全身が震え、顎が反らされていく。
    目尻に溜まっていた涙が許容量を超え頬を伝い落ち、それ以上零れるのを防ぎたくて目蓋をきつく閉じる。だが、それによって余計に感じてしまい咽喉がひくつき、小さく声が漏れた。その反応に気づいたか、顔を抑つけていただけの両手が喉に浮き上がる筋を優しく撫で上げてくる。鎖骨の窪みを確認するように指がくるりと這わされ、鎖骨に沿って肩へと撫であげていく。
    その間も絶え間なく聞こえてくる湿った音。
    心臓の脈打つ音が早くなっていく。
    真綿で首を絞めつけるように追い立てられ、下腹部に集まり始めた熱。間違いないと自覚されられ、居た堪れない。

    まずい…。
    せめて今すぐにでも意識を失えたら…。

    現実は容易く意識を失うことは叶わず、ただ耐える以外術がない。
    だが、絶え間なく与えられる中途半端な刺激に反応した体の変化を隠せる筈も無く。上気し始め赤く染まり始めた頬、熱を孕み始めた息。その変化にを見逃すことなく、寧ろ応えるように手で胸全体を覆い、胸の感触を確かめるように揉み始めた。
    顎を反らしぎりぎりと奥歯を噛み締め歯噛みする姿に反し、ジョセフによる一連の所作に呼応するように、服の上からでも分かるくらいに固く立ち上がった乳頭。それに触れ、ジョセフは緩やかに口許に弧を描き、少しだけ強めに耳朶を食む。くぐもった声があがり逃れようと体が反らされ、胸元が突き出された。限界にまで反らされた平らな胸に、舐めてくれとでもいうように主張してくる其れを、触れるか触れないかの微妙な手付きで円を描くよう撫で上げていく。
    熱く固いものが当たり、触れた途端、唸り声と共に肉の裂ける音が聞こえてきた。
    「恥ずかしいのか?ヘルマン」蹴りあげてくる足を掴み
    「そういう反応も悪くはない」揶揄を含んだ声で囁き先程傷つけた膝の辺りへと触れ、場所を確認するように治癒しかけた其処を抉る。
    顎を反らしたままぐうと唸り口元を歪めたヘルマンに対し、
    「これが最後だ」言い聞かせるように優しく囁き、膝頭を掴む。

    これから行う事に足掻きや抵抗は煩わしいだけだ。
    ここで完膚なまでに…。

    握り潰すような音が響いた次の瞬間、目を見開き、吼えるような悲鳴を上げ全身を打ち震わせる。その間も与えられる痛みから逃れるべく打ち付けられた両腕を引き剥がそうと暴れ始めた。

    まだ完全に潰し終えてはいない。

    苛立ちを示すように反対側の手で顔を引き寄せ頭突きをくらわし、それでも諦めようとしないそれを煩わしいとでもいうように鳩尾を殴りつけ、黙らせた。
    苦悶の表情を浮かべ、最後には力尽きたようにがくりと頭を落とした。微かに漏れ聞こえる嗚咽。地面の色がぽつりぽつりと濃くなっていく。それに合わせるかのように肩が揺れる。
    砕かれた足を庇うように傾き、壁に張り付けられた状態のヘルマンの髪を掴み引き上げた。

    「弱いからだよ。ヘルマン・ザルツァ。弱いからこうなる」

    引き上げられた状態の中、唇が微かに戦慄き、洩れ聞こえてきた言葉にジョセフは鼻で笑ったのだった。

    頭が朦朧とする中、認めるべきであっても受け入れたくない事実を突き付けられ拒絶した。
    微かに聞こえてくる笑い声に怒りを覚えても、体は重く思うように動かない。

    一縷の望み、違う……どうしてもゲルトのためにも目の前の敵に一矢報いたい、だけだ。

    唸り、まだ健在の方の足で地面を踏みしめ、無理矢理体勢を整えた。
    霞む視界の先に標的を確認する。

    「まだ受け入れる事無く反抗する…か。そういう意味では、本当に期待を裏切らないな」

    伸ばされた腕に突かれ、後頭部から壁に衝突し、脳が揺れる。衝撃で顎が上がり新たな痛みに呻き声が漏れた。

    視界が急激に狭くなっていく。それだけだった。

    漸く、大人しくなったそれへ手を伸ばし、ゆっくりと愛撫を開始する。
    痛みと多量の失血で理性を保てなくなっている体は容易に熱を増し、呻き声は吐息にすり替わっていく。
    立ち上がった乳頭をつままれ、裏返った声が漏れる。しつこいくらいに弄り弾いてやる。
    それだけで腰を揺らし始め、もっとと強請ってきた。
    その様を揶揄するように
    「融合体になってからご無沙汰だったか、それとももともと好き者だったか?」呟く言葉に反応する事無く、体を寄せてくる。
    熱をもち、固く立ち上がったそこを布地越しから触れてやれば、鼻を鳴らしその先をと強請るように腰を突き出し擦り付けてきた。

    血で濡れそぼった修道服へ手がかけられ一気に引き裂かれる。
    それに対して特に感慨を受ける感じも無く、ヘルマンは恍惚の表情を浮かべるだけだった。

    [148] イヲリ (2008/09/11 Thu 01:51)


    切望 暴走黒×赤(銀黒前提)003

    まだ終わってない…よ

    ■■■

    血に濡れた服はずっしりと重い。所々が乾き肌にこびりついてくるのが気持ち悪くどうにかしたいが、両腕は固定されそれは叶わない。
    腕を揺らしてみたが、ただ新たな痛みを生み出すだけで。
    その痛みに耐えるべく奥歯を噛締める。

    痛みに慣れてきたと思う頃合いになって、また新たな痛みに襲われる。その繰り返しに理性が削られ磨り減らされていく。

    それでも最初の頃は歯噛みし痛みにも耐えていた。
    だが終わりの見えない状況。朦朧としていく意識。
    八方塞の中、与えられる甘美な刺激。快楽が痛みを凌駕していく。
    痛みが和らぐにつれ、内側には熱だけが篭っていく。

    暑い…。

    吐息と共に自然と甘ったるい声が零れ落ちた。
    一度零れてしまえば留まることなく溢れ出る吐息に合わせるかのように、ジョセフの指の動きが大胆になり、新たな快楽を生み出してくる。
    その快楽に呼応して咽喉が震え、体をひくつかせた。
    委縮していた其処は再度やんわりと布地を持ち上げ始めた。
    吐き出される熱、眼は閉じられたままだがうっすらと上気した頬、我慢できないとばかりに自ずと腰を揺らす姿態。
    軽く扱いてやるだけで自ら擦り付けてくる。わざと手を離してやれば、薄らと目蓋を開き濡れた瞳で上目遣いに見つめてきた。
    無意識とはいえ、淫売のような仕草、ジョセフは満足そうに軽く鼻を鳴らし、服の上からでも十分に分かる程に形作られたそれへまた手を添え扱いてやる。何回かの後、軽く爪をたてて扱いてやれば刺激が強すぎたか、大きく喉を震わせ開いたままの唇から透明の雫が伝い落ちていく。舌で舐めあげ飲みこんやる。それを追うように絡みついてくる舌を受け止め、服の襟を掴んだ。
    その仕草を気にする事も無く、顎を反らし尚も求めるように絡みついてきた。それに応えつつ、快楽のみを追う様に目を細めた。


    そう最後だけ、ほんの一瞬だけ正気に戻ればいい。
    ぎりぎりまで与えられる快楽に溺れていた方が、後々にまで尾を引き続けるのだから。


    朧げな意識の中、遠くから布を裂くような音が聞こえてきた。
    外気に晒され肌。籠った熱から解放され、その温度差にぶるりと震える。
    だが、不思議と痛みはない。寧ろ、窮屈さを感じていただけに心地いい。
    外気に晒された胸へと指が伸びてきた。掠めた瞬間、全身に電流のようなものが走っていく。
    生暖かく湿ったものが胸へと触れてきた。
    ひくりと固まった瞬間、色の濃い部分を咥内に含まれ吸い上げられる。
    未知なる感触にただ喘ぐしかなかった。
    与えられる刺激に対して断続的に震える体を、水音をたてながらしつこく舐め上げていく。時折甘噛みすれば、打ち上げられた魚のように体を跳ねさせ、見た目とは裏腹に高い声が漏れ出てくる。
    直接触れられて、更に今までとは比べ物にならない刺激にヘルマンは反応するしかかなわなかった。
    あと少しというところで与えられる刺激が止み、金属音が聞こえてきた。
    何の音か見当もつかずぼんやりとしている間に、新たな肌が外気に晒される。ぶるりと震えた瞬間、生暖かい粘膜に一気に包み込まれ、思わず高い声が漏れた。水音と共にねっとりと茎を舐られ、身を捩ると鈴口を拡げるように舌を押しつけてくる。吸い上げられ、やめてくれと腰を大きく揺らせば、戒めるように軽く歯を立てられた。今はそれさえも快感に結びつく。
    限界まで弄られ仕舞いにはきつく吸い上げられて、断末魔のような悲鳴と共に快楽の証を吐き出したのだった。

    全身の力が抜け、自重を支えきれず体が壁を擦りながら摺り下がっていく。新たな痛みに顎を反らし唸り声を上げるが、乾ききった咽喉がひきつれるだけで。一頻り激しく咽せた後、力尽きたように顔を伏せた。
    脱力感と痛みに混濁した意識の中、自分以外の気配を感じ取る。ゆるゆると顎をあげたヘルマンは鼻につく生臭い臭気に顔を歪める。その反応を愉しむかのように
    「余程溜まっていたらしい。これでは潤滑剤代わりにするのは難しそうだ」笑いを含んだ声がかけられる。
    何を?と言葉を紡ぐ前に、頬に塗りつけられた生暖かいそれの感触が気持ち悪く、左右に首を振る様を
    「融合体になってから初めてだったか?」揶揄する声音で言葉を投げかけられてきた。

    ぼんやりとした表情のままで眉間に皺を寄せ小首を傾げる様。
    その言葉の意味を処理しきれない様を嘲笑され、本能的に悪意を感じとり眉間の皺が深く刻まれていく。
    だが、意識が完全に覚醒し、徐々に浮かび上がる記憶に瞳が大きく揺れる。

    思い…だした…

    頭の中を過る痴態の数々にいやな汗が全身を覆っていく。

    吐き気がする…

    血が足りなくて朦朧とする頭を振りきり、険しい表情を浮かべ睨みつけた。
    「反骨心だけは旺盛なようだが…如何せん弱すぎるせいかな。意味をなさない」
    「なにが弱いだ…!」
    腹の底から叫び、絡みついてきている腕を引き剥がすように蹴りあげ、さらにと、体を紅く光らせ融合体へと変化をしようとする。
    「わかっていないようだな」
    ジョセフの掌がヘルマンの顔を覆ってくる。蟀谷にかかる指を振り払おうと首を振るが、掴まれた箇所を中心に青白い閃光に包まれ、驚き、眼を見開くヘルマンをよそに全身に纏っていた紅い光が打ち消されていく。
    勢いを削がれ、脱力する体を鞭打ち、再び融合体へと変化しようとするが、体は反応しない。
    なんでだと動揺するヘルマンをよそに再度掴んだ足を持ち上げら左右に押し広げられていく。
    「位階が低いのに無理をするからだ」
    掴む手を振りほどこうと足を動かすが痛めつけられた膝を捩られ苦痛に呻きつつ反論する。
    「何を…言ってやがる…」
    「本当にとんだじゃじゃ馬だな」
    キッと睨み上げ、一瞬緩んだ隙を狙い、自由になった片足で顎を蹴り上げた。
    「女に言うようなことを!ざまあ…」
    正面へと向き直ったジョセフの顔を見て絶句する。

    力の加減はしなかった
    手応えも確かにあった
    顎がどうかなってもおかしくない筈だ

    「人間と同じ感覚でいてもらっては困るな。だが、まだそんな元気があるのは意外だったかな。腐ってもXATだったということか」
    「馬鹿にした物言いばかり…」
    「どんなに足掻こうが、力がない者には変わりがない」
    「ふざ…けるな…!」
    「なら己の非力さを実感すればいい」
    鈍い衝撃とともに腹に広がる焼けるような痛み。洩れそうになる悲鳴に歯を食いしばり、畜生と睨みつけた。その表情をも愉快とでもいうようにジョセフはただただ笑みを深める。
    「融合体ならばこのくらいどうということはないだろう?」
    流れ出るそれを指で掬い秘所へと宛がい、険しい表情を浮かべつつも不安と動揺に色づいた瞳へと微笑みかけたまま、指は絶え間なく、其処へと触れてきた。
    指が触れる度に唇が噛みしめられ、逃れようと腰を浮かせてくる様を愉しむかのように、飽きることなく指で秘所へと円を描いてくる。
    指先が僅かに窄んだ箇所に突き立てられ、入口を拡げようと動かしてきた。
    嫌な汗が額に滲む。

    冗談じゃない
    其処までされるいわれは…

    足を折り曲げこの状況から逃れようとするヘルマンの脛を掴む。動きを止められ限界にまで押し広げさらに奥深くへと指を差しこんでくるのに対し、拒絶の意を示すように内股に力込められた。
    「何をされるのかは分かっているのか?」
    質問に対する答えはなく、指を抜こうと腰を浮かせてくる。
    憐憫の意を込め「無駄なことを…」呟き、どこからともなく取り出した、今までとは全く異なる幅広の大剣を取り出し、そのままヘルマンの塞がりかけた傷へと突き立て、地面へと貫通させた。
    断末魔に近い悲鳴が周囲に響き渡る。
    それでも命を失うまでには及ばず、陸に打ち上げられた魚のように荒い呼吸に胸が上下するだけだった。

    [221] イヲリ (2008/09/19 Fri 17:54)


    Re^9: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提

    萌えたよー
    突っ込まれる時どれだけ痛がるか、非常に楽しみです
    よがった後だけに落差が激しそうだ

    [222] wald640 (2008/09/19 Fri 18:38)


    いいっす〜

    なんていうか、正統派黒い青いのがたまらないです。
    ワクワクします。

    [223] null (2008/09/20 Sat 00:00)


    Re^11: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提

    お疲れ様です…!
    ブラスレイター同士の戦いの雰囲気を壊さないままのエロが…もゆるです!

    突っ込まれて途中までされるがままだけど、最後の最後にわれに返って(気持ち的に)抵抗しそうですヘルマン。

    ご馳走様でした!

    [226] パラディン (2008/09/20 Sat 07:35)