No.59への返信

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  • (黒×銀 襲い受)彼の血は痺れるほど甘く

    悪夢のはじまり。
     闇の底へ堕ちていく姿は、きっと他のだれよりも美しいだろう。

    …己の弱さを憎め。
    もっと、狂おしく、愛を乞うように。

    「舐めろ」

     つま先でジョセフの顎を持ち上げ、そのまま口元に親指をねじ込む。痛みよりも、ジョセフに求めるものは憎悪に違いない。殺してしまうことは容易い、立ち上がれぬほどに痛めつけるだけならば、もっと簡単だ。この手にはそれだけの力がある。
     されるがまま屈辱を受け入れて、つま先を這うジョセフの舌は、そこにまるで炎があるように熱かった。

    「…まだ、君は絶望しないのか」

    たったひとりすら救えないこの世界に絶望しないのかと。そして自分自身に。ただ痛みを受け入れ耐えているだけでは、失うだけで何かを変えることもできないこと、もう十分にわかったのではないか。

    「ザーギン」

    わずかに荒くなった息と喉の奥から聞こえる怒りの声、それは言葉にならずに消えてしまう。ジョセフの言葉は、彼の真意を聞く前に消えてしまう。赤い双眸が見上げている。

    「こんな世界に、まだ君は…留まろうとする。愚かだ」

    腰を折り、アスファルトへ跪く。ジョセフの唇に口付ける。違う…と小さくジョセフが訴えるのを聞きながら、ジョセフの手をとり肩を抱いた。
     その体は傷ついて、ボロボロで、先ほどまで融合体をなぎ倒していたことが不思議なほど、痛んでいた。中には自身がつけた傷も残っていた。

    「君は愚かだ」

     街から火の手が上がっていた。ゆらゆらと燃える炎に照らされている。言葉とかけ離れた行為にジョセフは困惑しているのだろう。

    「絶え間ない苦痛の中で、それでも生きなければならない。だから罰を与えよう」

    「…ザーギン、俺は、姉さんは…」

     彼の望みを聞き入れることはない。…サーシャは死んだよ、あれは彼女ではない。そう答えると、またジョセフは悲しそうな顔をした。傷ついた顔、もっともっと傷つけばいい。罰を与えられて自分が喜んでいることに、安堵してしまっていることに、彼はまだ気がつかないのならば。もっと。

    …私は優しいのだから。

     すべての着衣を奪い、彼の体に乗る。触れている肌は熱かった。消えない熱、ナノマシンに汚染された体は、もうすでに人間のものではない。深く深くジョセフに口付けると、下肢から湧き上がるような熱を感じる。硬くそそり立っていく欲望、うっすらと目を開けて、彼の様子を盗み見ると、喉元はせわしなく揺れていた。
     滴りはじめた汗に光る若い男の体、その瞳が困惑以外の何かで濁りはじめている。唇を離すとジョセフが精一杯の懇願をした。

    「やめろ、こんなことは」

     腕をつかみ必死に欲望へ堕ちていくことに抵抗する。けれど暴かれた欲望は萎えることなく、天を仰いでいて、硬い。

    「嘘をつくのか、また」

     手で触れられるのがいやならば、口の中で暴発してしまえ、と唇を寄せる。それだけで青臭い汁が、流れ出て自身を濡らしていく。いやだと、怖いと、彼が泣いているようだと思った。きっと自涜すらもほとんどしたことがないのだろう。まして相手のある行為などは…

    「ザーギン…」

     訴える声が震えている。本当に泣いているのだ。ジョセフは。
    劣情を抑えることができない自分に絶望して、泣いているのだ。滑らかで薄い腹が、上下している。言葉の変わりに抑えることのできない感情が流れ込む。

    「…ああっ…ぅぁああ」

     ジョセフの欲望を身のうちに収めると、彼は体の下で悲鳴を上げた。困惑と悲しみと恐れと…快楽を覚えてしまった絶望と後悔と、ない交ぜになった赤い瞳が、見上げている。
     追い討ちをかけるように繋がった部分を開いて、ジョセフに見せ付けると、中で彼のものが大きく震えた。いやだと、だめだと、嗚咽交じりにジョセフはあえいで、けれど手綱の切れた奔馬のように荒っぽく腰を動かし始めた。

    「ぁっ………ふっ…ぁぁ」

    傷ついた顔をして、でも双眸に隠しきれない欲望の炎が灯っている。堕ちろ、とジョセフの耳元に囁いた。
    罪を背負い、罰を受けながら、もっと自分を憎めばいいのだ。
    足らない言葉のかわりに…

    「さすがはザーギンね」
    先ほどからずっと彼らの痴態をモニタしていたのは、エレアだった。炎に巻かれたが自走し、一応仮の主であるジョセフの傍で待つのが、務めでもある。
    「…なんて美しい手管なのかしら…」
    彼女に生えているのは黒い角と尾、悪魔の化身であるエレアにとって欲望はご馳走なのだ。
    「でもちょっと優しすぎるわ」

    [59] hanage3 (2008/08/23 Sat 17:41)


    エレアのように

    生暖かく見守って頂けると幸い。

    襲い受けで女王様。

    きっと銀は黒をいじめるのを心底楽しんでいるんだ。
    私も楽しい…

    ごめんなさい。

    [60] hanage3 (2008/08/23 Sat 17:42)


    はあはあ

    せんせーっ!
    エロいですーっ!
    絵がやっぱり容易に想像できてしまうんですけどーっ!
    (ついでにちゃんと音声付(笑)

    お耽美似合いますよねえ…やっぱこの2人は…

    [62] 636/マシュー (2008/08/24 Sun 12:39)


    Re^3: 耽美ですw

    ややや、1枚絵として想像したら綺麗でしょうね〜
    それこそ「美しいわ」ですがなw
    エレアたんも、ナイスデバガメ!

    [69] イーゴ (2008/08/24 Sun 17:47)


    Re^4: (黒×銀 襲い受)彼の血は痺れるほど甘

    この話は12話でXAT隊の皆さんが、大変な思いをされていたとき、エレアたんに
    起こされてやっと出てきたところにばったり、銀と遭遇した黒という時間軸のつもりでした。

    マシュー様
    お笑いとお耽美は紙一重ですよ〜
    銀様は一歩間違うと常にお笑いがつきまといます。

    イーゴ様
    エレアになりたいです!多分彼女が最強だと思います。

    ありがとうございました☆

    [73] hanage3 (2008/08/24 Sun 23:34)