なんか男性向けでも女性向けでもないです。
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轟音が、した。
もう目がよく見えない。暑い。体が動かない。
アマンダは無事逃げ延びたんだろうか。
たぶん俺は、もう死ぬんだ。
こういうときは走馬灯ってやつが走るんじゃないのか?
ちくしょう、何も思い出さねぇ。
アマンダさえ無事なら、俺は思い残すことはない。
ゲルト…、アル、ブラッド…
アマンダ…
光が消え、黒い幕がかかり始める。優しい永遠の闇がヘルマンを包もうとしていた。
「ふふ。死んでもらっちゃ長持ちしないじゃない?あなたにはやってもらわなきゃならないことがあるのよ。あの方のために」
天から降ってきたのは女の声だった。
女の長い指がヘルマンの唇に触れ、ぬるりと口の中へ入ってきた。
「飲みなさい」
幻影か現実か。ヘルマンには判断する力は残っていなかった。自身の血に濡れたくちびるに指がもう一本差し込まれ、何かが流れ込んできた。生温い、何か。味はない。
「おいしいでしょう。これから楽しくなるわよ、坊や・・・」
そして、女の声すらも、遠くなった。
どくん、と耳元で心臓の鼓動がする。
闇の中で、青い化け物が白い化け物を刺し殺す。
灰になる大事な人。信頼していた、ボスの声。
銃撃の音。血しぶきを撒き散らしながら倒れてゆく仲間。
すぐにでも助けたいのに、手足が動かない。身じろぎさえできない。ヘルマンは叫んだ。が、声が言葉にならない。なにか喉に焼け付く固まりがつまっていた。息すら満足にできず、呻きがもれただけだった。
横に意識を移すと、ピンク色の髪をした同僚が、ヘルマンに笑いかけ、抱きついた。
ああ、無事だったんだ…。
ヘルマンを掴んだ指が、突然ボコリと盛り上がり、赤く変化した。
瞬く間に肢体は融合体へと変化を遂げる。間々ならぬまま、身体を固くした。
『どうしたの?私は人間よ』
赤い融合体が、身体を締め付けながらヘルマンの耳元でささやいた。
『一つになりましょ。それが望みだったんでしょ、ヘルマン』
融合体の口から細長く赤い舌がニュルリと弾け出し、ヘルマンの耳を形に添ってなぞった。
やめろ!やめてくれ!
ふいに目が開いた。
「気がついた?」
女の声がした方向を見た。身体は傷んだが動いたし、息は、できた。だが、ひどく視界が悪い。薄暗いうえ、辺りがぼやけ、右の方は真っ暗だった。女の形は分からない。
「・・・あんたは・・・だれだ・・・」
「私はベアトリスよ、ヘルマン」
女が微笑んだような気がした。
どくん。
また、心臓の音がした。
どくん。どくん。
音はどんどん大きくなる。ゆらりと視界が歪み、目の前に融合体が現われた。
身体は動かず、逃げられない。融合体は柔らかくその形を変え、いくつもの蛇のようにヘルマンの身体に巻きついた。
「う…」
気管が圧迫され、喉がヒクヒクと痙攣するのが分かる。
「あら、大丈夫?」
その言葉で、正気に返る。自分の上には何も乗っていない。何も絡み付いては居ないのだ。心臓だけが、早鐘のように鳴り続けている。頬を汗が伝う。暑いわけでも、寒いわけでもない。何かかみ合わない感覚に襲われ、身体が震えていた。
「苦しい?助けてあげるわ」
ベアトリスは楽しげに、軽やかな調子で言った。
「苦痛と戦うには、快楽を感じればいいの」
「なにを…する…っ…」
ベアトリスはヘルマンをゆっくりと仰向けに寝かせると、その服を引きちぎった。鍛えられ、引き締まった胸があらわになる。長い指が、胸をなぞりながら、下へ下へと移動してゆく。
「ここも、邪魔ね」
下半身を覆っていた布も、いとも簡単に破ってしまった。そしてその中心へ、唇を沈めた。
「うぁ…!!!」
突然、生暖かく柔らかいものに包まれ、ヘルマンは悲鳴を上げた。ぬるりと緩やかに締め付けを繰り返され、生理的な反応が起こり始めた。
「っ、…やめ…」
ヘルマンは何度も押し返そうとするが、適わなかった。
「素直になりなさい、ヘルマン」
ベアトリスは尚も中心を舐りつつ、腕を変化させてヘルマンを床に縫いとめた。
中心が、熱くなって行く。自分の意思に反して、身体がベアトリスの湿り気を帯びたけだるい動きに呼応する。
「う…あ…ッ」
熱は中心から、全体へ、末端へと広がってゆく。肌が紅潮し、汗が滴り落ちる。甘い痛みが身体を駆け巡り、息が荒くなった。
「んっ…はっ…はぁ…」
「そう、いいわ。素敵よ、ヘルマン」
いつの間にか、ベアトリスは横たわるヘルマンを見下ろしていた。
「いい子ね?」
にっこりと微笑む女の影から、白みを帯びた長い触手が胸の膨らみへと伸びた。丁度人肌よりも少し温かい、粘りを帯びたものが、二つの尖りを弾く。
「ひっ」
手は、弾かれてますます赤みを帯びた先を右へ左へ捏ねもてあそぶ。鈍痛が、だんだんと甘い疼きに変わる。
「や、めろ…」
声は掠れてしまった。荒い吐息に頭がしびれる。その間も、中心への攻めは止まず、内部の熱ははけ口を求めて爆発した。
「うアッ!」
鋭い叫びを上げると腰を浮かし、身体を硬直させた。白い体液が赤いピンクの塊の中へ吐き出されてゆく。
ベアトリスは満足げにクスクスと笑い、さらにもう二つの白い透明感のある粘液をまとった腕を出現させた。
「もっと、満たして欲しいでしょう?」
触手は中心を咥えつつ、両足を持ち上げ、秘められた場所をあらわにした。そして先端を二つに分け、透明な液を滴らせながら、蛇のようにうねりながら入口をつついた。触手はさらに細く枝分かれし、固く閉じたそこをこじ開けるように、蠢いた。熱を帯びた身体に新たな刺激が加わり、これ以上感じないようにヘルマンは固く目を閉じた。
「は……はぅ…う…あ…」
意味のある言葉は紡げなかった。呼吸が激しくなる。
「あなたならこの楽しさを知っていると思うわ。そうでしょ?」
ベアトリスは優しく微笑んだ。そして、蠢く触手を一つにし、先端をヘルマンの身体に押し込んだ。ズチュッ。重量感のある粘液が一気に奥まで突き進み、中で暴れた。拒もうとも、震える身体と、白くもやのかかり始めた思考の中では、何も出来なかった。
ベアトリスのしもべたちは、巧みに中を突いた。その度、ビクビクと小刻みに肢体が硬直した。
「あ…ぁ…」
「感じなさい、ヘルマン」
再び身体の熱が限界を迎えようとしていた。突かれる度に身体が揺れ、固く閉じられていたはずの目や口は弛緩していた。
「赤い快楽を受け入れなさい」
その言葉に、ヘルマンの身体が、赤く変化する。白い管を受け入れながら、塞がれた芯とともに快楽の意味を知った。
***
ベアトリスは、地図を広げ、とある場所を指し示す。
「そこにアマンダがいるわ。奴らにとらわれている。助けておやりなさい。思いのままに暴れていいわ」
ヘルマンは分からぬまま、返事をした。
「……わかった」
俺は誰だった?
アマンダは誰だ?
俺は…
ENDE
(とりあえず終。)
[41] null (2008/08/20 Wed 02:52)
エロいっすよっ!
なんか色々妄想する余地のある書き方が凄いっスっ!
絵が浮かびます。うん。ドキドキする。
[44] 636/マシュー (2008/08/20 Wed 08:58)
朝っぱらからすばらしすぎます。電車の中で吹きそうになりました。
一気に眠気は吹っ飛びましたが、社会人として大事な何かまで吹っ飛んだようで、触手妄想が止まらん〜〜〜w
[45] イーゴ (2008/08/20 Wed 12:20)
ぬるさんたら…私も朝から携帯でよんじゃいましたよ。
はじっこに座っててよかった(笑)
マシュー姐さんじゃないけど、アタシもうだめぇええ〜な感じ(ォィ)のヘルマンが浮かびました。
んで、また最後微妙にオバカになってるとこが…かわいい…!
[50] 603:ヘタレ班長 (2008/08/20 Wed 20:23)
感想ありがとうございます。
エロいと感じてもらえてよかったです。
書いている最中、エロさを感じなかったもので…orz
安堵しました。
あと、ありもしない触手なんて熊姐さんに大気圏外から地球に落とされそうです。すみません。
[52] null (2008/08/21 Thu 00:35)
おくればせながら…
そうか!ヘルマン、このこともあって再登場したときヘロヘロだったんだな!
って納得してしまいました。
さすがは熊姐ですね!
[57] hanage3 (2008/08/23 Sat 17:30)