No.238への返信

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  • (赤白赤)無自覚な唇(注:リバ)

    呪いと言われて調子に乗ってみました。
    パラディンさんの漫画「美味しいキス」から…
    ゲルヘルがヘルゲルに変化します。

    リバーシブルOKなら先に進んでくださいませ。
    -------------------------------------------

    「なあ、知ってるか。ゲルト」
    指先がゲルトを差す、そのまますっと口元に吸い込まれる。少し焼けた肌の硬い皮膚、どうしようもなく男の指先。触れて、離れる。
    「キスっていうのは、食べてしまいたいくらいに好きな相手の」
    ゲルトの唇を離れた指先を彼は、舌をちらりと出して舐める。
    「…味見するためにあるんだってさ」
    見上げた目にどきりとする。
    戯言、いや、これは誘っている言葉。
    キスの先を誘う言葉遊び。
     ヘルマンが笑って見つめる。挑発するような誘惑を投げつけてきたことを彼は自覚しているだろうか。キスの上手さもその後のテクニックもすべて男の沽券にかかわるものだ。そこへ辿りつくまでのプロセスも。
    …ヘルマン、残念だがこちらが一枚上手だ。
    まだまだ男としては未熟だと思っていた。こちらがヘルマンを少し侮っていたことを思い知る。あれは直撃だった。うっかりとその誘惑に下品な男の馬脚を現して、そのまま押し倒してしまうところだった。それでは折角着飾ったフロイラインに失礼にあたる。体勢を立て直し、冷静に、手袋を投げるように、挑発の言葉をゲルトはヘルマンに投げた。
    「で、どんな味だった」
    …さてヘルマン、聞かせてもらおうか。上手く誘えよ。思わず自分から股を開いてしまうくらいの言葉で、弄んでみろよ。
     先ほどまで見せていた顔が、いつもの照れ隠しでかすむ。やはりあれは無自覚だったらしい。ゲルトは苦笑いする。無自覚であれだ。ヘルマンが本気で誘惑したら、きっとすぐにゲルトは陥落する。
     ならばその手にのってやろうと思った、大人をからかったのだから。アドバンテージはまだこちらにある。ゲルトが体を寄せると、すっとヘルマンの体が自然に逃げる。さっきまでのキスのように、ヘルマンの腰と首に手を添える。たったそれだけでヘルマンはおとなしくなった。すべてを見なくてもわかる。足らないと、キスだけでは足らないと体が訴えている。畳み掛けるように言葉を落とす。
     やわらかい首筋の皮膚、みっしりと肉の詰まった腰を撫でる。足らないのは、お前だけじゃないと触れた場所から伝わるように。等閑の反論が頭上から降ってくるが、本気ではない。声でわかる。背中に回されたヘルマンの腕が、もう熱くなっている。出口まで距離の短い若い欲望が、触れている腿から伝わってくる。ジャケットのファスナーを唇で下ろす。そのまま日に焼けた首筋を軽く噛むと、ヘルマンの唇からふっと息が漏れた。汗ばむほどの体温が、彼の体に纏わりつく匂いを気化する。甘い香り、日向の匂いと薬きょうの匂い。
    「…今日は負けるなよ」
    窮屈そうにしているジーンズの前を開ける。つたない手管に比べて、そこはしっかりと大人の主張をしている。いつものようにそのまま押し倒して何度も泣かせるか、それとも。
    「さっきの言葉覚えてるか」
    「なんだよ」
    言葉と言葉の合間をキスで紡ぐ。
    「ほら、味見…」
    抱き合いあいながら、お互いの着衣に手を掛ける。
    「したから、今度は食うんだろ」
    俺をと、少し不服そうにヘルマンが呟いた。
    「ああ、食べたい。俺はヘルマンを食べたい、食べさせてくれるか」
    最後の一枚の着衣をはぎとって、ゲルトは乱暴に口付ける。ヘルマンは硬く、すでに先端は潤っている。わざとその顔を見せ付けるように、腹まで反り返った欲望をゆっくりと舐める。ヘルマンが眉を寄せる、飢えた男の顔が見える。たまらないという言葉よりも雄弁な、眉間の皺と薄く開いた口からこぼれる声、ゲルトの髪にヘルマンの指が絡む、かき混ぜる。誘惑に負けた男の乱暴な手が、もっとと訴える。
    「…食ってるだろ。いつも。違うのか」
    ゲルトがそこから唇を離すと、もの欲しそうに腰が揺れた。
    「違うだろう。食べているのはお前だ」
    受け入れて、中を掻き混ぜられて、ゲルトの欲望を咀嚼する。食べると表現されて、ヘルマンは、一瞬その行為を思い出したようだ。感じすぎたそこから、床にぽたりと液体が落ちた。待てと命令された犬のように。勝敗はもう時間の問題かもしれない。こんなにも欲しがる姿を見たら、だれもがその誘惑に勝てはしないだろう。
    「来いよ」
    両腕を伸ばして誘う。いつもとは逆の…
    「先にイったらお前の負けだぜ」
    膝を折って若い男の体が近づいてくる。薄く栗色の体毛の巻いた柔らかな皮膚、腕を掴んで押し付ける。
    「…ああ、でも…」
    掠れる声が敗北を告げる。
    「もう、イきそう」
    膝を割って入ってくる体、いつの間にかゲルトの体は床へ押し付けられていた。床のひんやりとした感触が気持ちいいと思うのは、自分の体が熱くなっている証拠だ。
    「情けないな、まだまだ第一コーナーだって回ってない」
    早くイイ顔をみせろよ。それならば俺の勝ちだと。ゲルトは小さく呟いた。
    「暴走しそうだ…」
    ヘルマンの顔へ手を伸ばす。乾いてしまった唇を何度も舐めたのか、少し荒れている。ゲルトは、そこへ触れるだけのキスをする。
    「…暴走、してみろよ」
    噛み付くように激しく、舌を絡めては唇を舐めあげる少し乱暴なくらいのキス、ヘルマンからの反撃。
    「ブレーキ、ぶっこわれちまった」

    無自覚な唇が誘う、その手にのろう。
    唇をなぞる指先の。奥にある。なんて美味しい結末。

    [238] はなげさん (2008/09/26 Fri 01:19)


    自己レス

    表題を2つの案でなやんだけど、このタイトルにしました。
    言葉遊びでもいいかなと思ったんですが…漫画のイメージだとこっちかな?やはりと。

    ゲルヘルだったのがいつのまにかヘルゲルに変化!
    (寝込みを襲ってもないし、酔ってもないけどヘルマンが攻めに!)
    というのが、ひそかなテーマでした。

    [239] はなげさん (2008/09/26 Fri 01:22)


    Re^2: (赤白赤)無自覚な唇(注:リバ)

    わーい!ありがとうございます!
    SSから絵に対してのネタ振りは普通にありますが、まさか
    逆が出来るなんて!

    ていうかゲルト…なんていやらしい子…!
    これは ヘ ル ゲ ル を 描 け と い う こ と で す ね !

    ごちでした…!
    頑張ってまたネタ振りしよう。

    [241] パラディン (2008/09/26 Fri 06:34)


    Re^3: (赤白赤)無自覚な唇(注:リバ)

    はなげさんの小説とパラディンさんの漫画のコラボというかコンボ技(超威力倍増)で昇天した〜*´Д`*

    [243] 九郎 (2008/09/26 Fri 20:20)


    Re^4: (赤白赤)無自覚な唇(注:リバ)

    ありがとうございます!

    パラディンさん
    いやいや、もうあの漫画のヘルマンの
    「キスっていうのは、食べてしまいたいくらいに好きな相手の…味見するためにあるんだってさ」
    にやられてしまいました。誘ってますよね。あれは。

    九郎さん
    ここはやっぱり イ`! と申し上げておきますよ〜

    [253] はなげさん (2008/09/29 Mon 00:53)