注意:オチです。赤が白を好き過ぎて変態になってしまってます。すみません。すみません。
リバっぽいので、苦手な方は回避してくださいませ。
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門の前のベルがけたたましく鳴っている。まったくオフの日の朝、しかもだれにも会いたくないから、こうして居留守をつかっているというのに。ゲルトはうんざりしながら、すこしだけ髪を整え扉を開けた。
「ちわ〜っす、デリバリー・ヘルマンで〜す」
赤毛の見慣れたというか、もう見飽きた男が立っている。半分開いた扉のドアノブを掴む手に力が入る。どこかの宅配業者を真似たように身につけられた赤いツナギには、ご丁寧に勝手に作ったと思しき企業名「デリバリーヘルマン」と入っている。
「そんなものは頼んでいない」
ゲルトは勢いよく扉を閉めた。が、隙間が開く。どうにも全部閉まらないと思ったら、扉の隙間に足が入れられていた。
しまった。相手は曲りなりとも警察機関の人間だった。あまく見ていたと、眉をしかめる。
「ゲルト・フレンツェンさんの御宅にお届けものにあがりました!」
「いやそんなものは、頼んでないから」
しばしの押し問答の結果、結局、ヘルマンに根負けした。優雅に過ごそうとした休日の予定が、ゲルトの頭の中を音を立てて崩壊していく。そんなことにはお構いなしで、ゲルトの邸宅にあがりこんだヘルマンは、まるで犬のように尻尾を振って、ゲルトについて歩く。
「…じゃあ、何を届けにきたんだ」
半ば、ため息が混じる。
「え、もう。今からじゃちょっと早いかな〜でもいっか」
そういえば彼は何か持ってきただろうか。手にはなにも見なかったが…いやな予感がしたところで、目の前の男がツナギのファスナーに手をかけている。
「…ええと…俺?」
その言葉と同時に飛び掛られた。するりと上半身が、脱げた下には…何もつけていない。
「ゲルトォオオオオオオオ〜ッ!」
そのままのしかかられて愛してる。愛してる。と吼えられる。多分下半身も何もつけていないのだろう。腰に当たっているものがリアルだ。ゲルトはふと、ヘルマンのツナギにあった名まえを思い出した。
多少気が引けるが、今は自分の時間が大切だ。
「……チェンジで。」
日本のチームで聞いた話では、そういう宅配業者があって、届けられた商品が気に入らない場合は取替えができると言う。略してデリヘル…と言うらしい。
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ヘルマンさん、いつもオチで使ってごめんなさい。
で、でもそんな君が好きなんだよ〜
[326] はなげさん (2008/10/22 Wed 20:32)