「……っ」
己の恥ずかしい姿を晒されて、ジョセフは泣いていた。ぎゅっと閉じられた瞼の淵に涙を浮かべて、声もなく肩を震わせて。浅ましく欲情する自分に絶望して、寄る辺無い幼子のように泣いていた。
「何故認めようとしない。己の欲望を。自分自身の本当の姿を」
ジョセフの身体に覆いかぶさるようにのしかかると、欲望が更に深くまで押し込まれ、ジョセフが苦しげな呻き声をあげた。覆いかぶさったまま、ザーギンはジョセフの目尻に顔を近づけると、溜まった涙を舐めとってやった。
「どんなに取り繕ったところで、きみの本性は誤摩化せないよ。淫らで、美しい、獣の本性は」
そして四つん這いでジョセフを組み伏せた獣の体勢のまま、ザーギンは深々と突き立てた逸物を抜けるぎりぎりまで引き抜いた。そして間髪入れずに一気に貫き、抽挿を開始する。
「ああっ、うああっ、あああああっ!」
身を引き裂かれるような快楽に、ジョセフは激しく啼いた。形振り構わず、正しく獣のように。塞き止められた快楽は間断なく続く責め苦となって彼の心身を責めさいなむ。
薄暗い森の中には、激しく腰をぶつけるバシリバシリという音と、ぐちゅぐちゅと掻き回す水音だけが響き渡る。そして獣のような二人分の息づかいと、喘ぎ声だけが。
「解放してやればいい。偽りの禁欲など捨てて、己の望むがままに」
耳元で囁きながら、ザーギンはジョセフの股間に手を伸ばし、欲望を縛める包帯を解き去ってやった。途端に彼の雄はびくびくと痙攣しながら勢いよく白濁を解き放つ。
「くっ……」
出した瞬間にジョセフの中がザーギンの欲望をぎゅっと締め付ける。その刺激で限界まで達していたザーギンの雄も絶頂に上り詰める。
ザーギンはジョセフの身をがっちりとかき抱くと、ねじ込むように腰を押し付け、ジョセフの最奥に己が欲望を一滴残らず注ぎ込んだ。
「あ……ああ……」
どくどくと脈打ちながら胎内に精を吐き出される感触に、ジョセフが目に涙と絶望の色を浮かべる。ザーギンは一滴も零すまいと、ジョセフの身を押さえ込むように抱きしめた。
全てを吐き出し終わってからも、ザーギンはジョセフの身体を離さずにいた。暫しの後、ザーギンが身を起こして満足げにジョセフを見下ろした。ジョセフは魂の抜けたような半開きの目で、薄く口を開けて浅い呼吸を繰り返している。
「お互いいっぱい出たね……でも、まだまだ終わりはしないよ」
ザーギンが両手でジョセフの頬を挟み、半開きの唇についばむように口付ける。ジョセフの放ったものは彼の腹や胸にまで飛び散っていて、黒いシャツにねばねばとわだかまっていた。ザーギンが挿れたままなすり付けるように腰を押し付けてやると、結合部から白濁した液がつうと伝って零れ落ちる。
「僕たちの蜜月はまだ始まったばかりなんだから。それこそ、きみが僕の子を孕んでしまうまで、未来永劫、抱いてあげよう」
Fin.
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元のSSでは場所は特に明確にされていませんでしたが、「獣」をコンセプトにした結果、外で、それも森の中でやるのがいいだろうという結論に達しました。
最初の予定では「パンツ脱がさず横からブツはみ出し&ちょっと横にずらして突っ込む」をやるつもりでしたが、「ちんぐり返しで恥ずかしいとこ全晒し」を採用した結果、結局脱がすことになりました。
銀様は歯の浮くような事を言わせても結構様になるキャラだと思うので(原作でも持って回ったような台詞多いし)、敢えて聞いててこっぱずかしくなるような、砂を吐くような台詞を連発させました。
[261] wald (2008/10/04 Sat 19:13)