切望 暴走黒×赤(銀黒前提)003

まだ終わってない…よ

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血に濡れた服はずっしりと重い。所々が乾き肌にこびりついてくるのが気持ち悪くどうにかしたいが、両腕は固定されそれは叶わない。
腕を揺らしてみたが、ただ新たな痛みを生み出すだけで。
その痛みに耐えるべく奥歯を噛締める。

痛みに慣れてきたと思う頃合いになって、また新たな痛みに襲われる。その繰り返しに理性が削られ磨り減らされていく。

それでも最初の頃は歯噛みし痛みにも耐えていた。
だが終わりの見えない状況。朦朧としていく意識。
八方塞の中、与えられる甘美な刺激。快楽が痛みを凌駕していく。
痛みが和らぐにつれ、内側には熱だけが篭っていく。

暑い…。

吐息と共に自然と甘ったるい声が零れ落ちた。
一度零れてしまえば留まることなく溢れ出る吐息に合わせるかのように、ジョセフの指の動きが大胆になり、新たな快楽を生み出してくる。
その快楽に呼応して咽喉が震え、体をひくつかせた。
委縮していた其処は再度やんわりと布地を持ち上げ始めた。
吐き出される熱、眼は閉じられたままだがうっすらと上気した頬、我慢できないとばかりに自ずと腰を揺らす姿態。
軽く扱いてやるだけで自ら擦り付けてくる。わざと手を離してやれば、薄らと目蓋を開き濡れた瞳で上目遣いに見つめてきた。
無意識とはいえ、淫売のような仕草、ジョセフは満足そうに軽く鼻を鳴らし、服の上からでも十分に分かる程に形作られたそれへまた手を添え扱いてやる。何回かの後、軽く爪をたてて扱いてやれば刺激が強すぎたか、大きく喉を震わせ開いたままの唇から透明の雫が伝い落ちていく。舌で舐めあげ飲みこんやる。それを追うように絡みついてくる舌を受け止め、服の襟を掴んだ。
その仕草を気にする事も無く、顎を反らし尚も求めるように絡みついてきた。それに応えつつ、快楽のみを追う様に目を細めた。


そう最後だけ、ほんの一瞬だけ正気に戻ればいい。
ぎりぎりまで与えられる快楽に溺れていた方が、後々にまで尾を引き続けるのだから。


朧げな意識の中、遠くから布を裂くような音が聞こえてきた。
外気に晒され肌。籠った熱から解放され、その温度差にぶるりと震える。
だが、不思議と痛みはない。寧ろ、窮屈さを感じていただけに心地いい。
外気に晒された胸へと指が伸びてきた。掠めた瞬間、全身に電流のようなものが走っていく。
生暖かく湿ったものが胸へと触れてきた。
ひくりと固まった瞬間、色の濃い部分を咥内に含まれ吸い上げられる。
未知なる感触にただ喘ぐしかなかった。
与えられる刺激に対して断続的に震える体を、水音をたてながらしつこく舐め上げていく。時折甘噛みすれば、打ち上げられた魚のように体を跳ねさせ、見た目とは裏腹に高い声が漏れ出てくる。
直接触れられて、更に今までとは比べ物にならない刺激にヘルマンは反応するしかかなわなかった。
あと少しというところで与えられる刺激が止み、金属音が聞こえてきた。
何の音か見当もつかずぼんやりとしている間に、新たな肌が外気に晒される。ぶるりと震えた瞬間、生暖かい粘膜に一気に包み込まれ、思わず高い声が漏れた。水音と共にねっとりと茎を舐られ、身を捩ると鈴口を拡げるように舌を押しつけてくる。吸い上げられ、やめてくれと腰を大きく揺らせば、戒めるように軽く歯を立てられた。今はそれさえも快感に結びつく。
限界まで弄られ仕舞いにはきつく吸い上げられて、断末魔のような悲鳴と共に快楽の証を吐き出したのだった。

全身の力が抜け、自重を支えきれず体が壁を擦りながら摺り下がっていく。新たな痛みに顎を反らし唸り声を上げるが、乾ききった咽喉がひきつれるだけで。一頻り激しく咽せた後、力尽きたように顔を伏せた。
脱力感と痛みに混濁した意識の中、自分以外の気配を感じ取る。ゆるゆると顎をあげたヘルマンは鼻につく生臭い臭気に顔を歪める。その反応を愉しむかのように
「余程溜まっていたらしい。これでは潤滑剤代わりにするのは難しそうだ」笑いを含んだ声がかけられる。
何を?と言葉を紡ぐ前に、頬に塗りつけられた生暖かいそれの感触が気持ち悪く、左右に首を振る様を
「融合体になってから初めてだったか?」揶揄する声音で言葉を投げかけられてきた。

ぼんやりとした表情のままで眉間に皺を寄せ小首を傾げる様。
その言葉の意味を処理しきれない様を嘲笑され、本能的に悪意を感じとり眉間の皺が深く刻まれていく。
だが、意識が完全に覚醒し、徐々に浮かび上がる記憶に瞳が大きく揺れる。

思い…だした…

頭の中を過る痴態の数々にいやな汗が全身を覆っていく。

吐き気がする…

血が足りなくて朦朧とする頭を振りきり、険しい表情を浮かべ睨みつけた。
「反骨心だけは旺盛なようだが…如何せん弱すぎるせいかな。意味をなさない」
「なにが弱いだ…!」
腹の底から叫び、絡みついてきている腕を引き剥がすように蹴りあげ、さらにと、体を紅く光らせ融合体へと変化をしようとする。
「わかっていないようだな」
ジョセフの掌がヘルマンの顔を覆ってくる。蟀谷にかかる指を振り払おうと首を振るが、掴まれた箇所を中心に青白い閃光に包まれ、驚き、眼を見開くヘルマンをよそに全身に纏っていた紅い光が打ち消されていく。
勢いを削がれ、脱力する体を鞭打ち、再び融合体へと変化しようとするが、体は反応しない。
なんでだと動揺するヘルマンをよそに再度掴んだ足を持ち上げら左右に押し広げられていく。
「位階が低いのに無理をするからだ」
掴む手を振りほどこうと足を動かすが痛めつけられた膝を捩られ苦痛に呻きつつ反論する。
「何を…言ってやがる…」
「本当にとんだじゃじゃ馬だな」
キッと睨み上げ、一瞬緩んだ隙を狙い、自由になった片足で顎を蹴り上げた。
「女に言うようなことを!ざまあ…」
正面へと向き直ったジョセフの顔を見て絶句する。

力の加減はしなかった
手応えも確かにあった
顎がどうかなってもおかしくない筈だ

「人間と同じ感覚でいてもらっては困るな。だが、まだそんな元気があるのは意外だったかな。腐ってもXATだったということか」
「馬鹿にした物言いばかり…」
「どんなに足掻こうが、力がない者には変わりがない」
「ふざ…けるな…!」
「なら己の非力さを実感すればいい」
鈍い衝撃とともに腹に広がる焼けるような痛み。洩れそうになる悲鳴に歯を食いしばり、畜生と睨みつけた。その表情をも愉快とでもいうようにジョセフはただただ笑みを深める。
「融合体ならばこのくらいどうということはないだろう?」
流れ出るそれを指で掬い秘所へと宛がい、険しい表情を浮かべつつも不安と動揺に色づいた瞳へと微笑みかけたまま、指は絶え間なく、其処へと触れてきた。
指が触れる度に唇が噛みしめられ、逃れようと腰を浮かせてくる様を愉しむかのように、飽きることなく指で秘所へと円を描いてくる。
指先が僅かに窄んだ箇所に突き立てられ、入口を拡げようと動かしてきた。
嫌な汗が額に滲む。

冗談じゃない
其処までされるいわれは…

足を折り曲げこの状況から逃れようとするヘルマンの脛を掴む。動きを止められ限界にまで押し広げさらに奥深くへと指を差しこんでくるのに対し、拒絶の意を示すように内股に力込められた。
「何をされるのかは分かっているのか?」
質問に対する答えはなく、指を抜こうと腰を浮かせてくる。
憐憫の意を込め「無駄なことを…」呟き、どこからともなく取り出した、今までとは全く異なる幅広の大剣を取り出し、そのままヘルマンの塞がりかけた傷へと突き立て、地面へと貫通させた。
断末魔に近い悲鳴が周囲に響き渡る。
それでも命を失うまでには及ばず、陸に打ち上げられた魚のように荒い呼吸に胸が上下するだけだった。

[221] イヲリ (2008/09/19 Fri 17:54)

[87] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 イヲリ 2008/08/26 Tue 00:15res
┗[88] まだおわってないんだよぅ イヲリ 2008/08/26 Tue 00:26
┗[89] おっと。 はんちょ 2008/08/26 Tue 07:23
┗[90] かっこよいっす! hanage3 2008/08/26 Tue 15:11
┗[91] Re^4: がんばっノシ イーゴ 2008/08/26 Tue 20:47
┗[103] がんばるぅー! イヲリ 2008/08/27 Wed 17:52
┗[147] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版001 イヲリ 2008/09/11 Thu 01:50
┗[148] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版002 イヲリ 2008/09/11 Thu 01:51
┗[221] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提)003 イヲリ 2008/09/19 Fri 17:54
┗[222] Re^9: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 wald640 2008/09/19 Fri 18:38
┗[223] いいっす〜 null 2008/09/20 Sat 00:00
┗[226] Re^11: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 パラディン 2008/09/20 Sat 07:35