切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版002

人間ではなくなっていても痛みは感じるのか…。

絶え間なく襲い来る痛みに唸り、顎を引く。咽喉を鳴らす音が幾分小さくなった。それが面白くなかったか、相手の苦悶の表情を見るのが趣味なのか、それともそう簡単には逃れられないようにするためか、突き立てたそれを更に捩じ込み傷口を拡げてくる。
肉を裂かれ、神経を断たれる鈍い音。
その新たな痛みに体が暴れ、背中を強かに打ち付け衝撃にうっと吐き気をもよおす。逆流しかけた胃液を無理矢理飲み込み、漏れそうになる嘆きを防ぐべく唇へと歯を立てた。

今も気を抜いた途端、痛みと悔しさから涙し、嗚咽するという醜態を晒してしまうだろう。

自分でもそれは十分に分かっているだけに噛み締めた唇へ更に力を込める。
ぶつりと鈍い音と共に鉄錆びくさい臭いと味が咥内に拡がっていく。
その様を愉しむかのように、ジョセフの指が噛みしめた唇へと触れ、そこから鼻梁、頬へとなぞってきた。先程までの動きとは異なる繊細な動き。飽きることなく何回も繰り返され、粟立つ感覚から背筋を伝い、腰に響く感覚に奥歯を噛締めた。
振り払う事も出来ずされるがままの状態に己の無力さを痛感されられじわりと視界が滲む。目蓋を強く閉じ遣り過ごす。その態度を気にする様子もなく顎に指をかけ持ち上げ、そのまま目尻を舌でねっとりと舐め上げてきた。
その感触に首を竦め顔を反らす。それを追う様に汗ばみ湿った肌に吹きかかってくる吐息。堪らなくて、限界にまで顔を背けた。
眼前に晒されたそれにジョセフの唇が緩やかに曲線を描き、近づいていく。
突然の感触に思わず体が跳ねた。その反応が興味深かったのか、両手でしっかりと固定され、ねっとりと舌が這わされてきた。直ぐ傍から聞こえてくる水音。

知ってる。これは…。だが、自分から仕掛けたことはあっても…。

未知の感覚に、膝が震え、閉じていた筈の唇が開いていく。耳の中を舌が這い始めた。舐め上げられる度に、瘧のように体が震える。吸い上げられ、歯をたてられるとなにか居たたまれないものが背筋を駆け抜けていく。
それを何回も繰り返されその度に全身が震え、顎が反らされていく。
目尻に溜まっていた涙が許容量を超え頬を伝い落ち、それ以上零れるのを防ぎたくて目蓋をきつく閉じる。だが、それによって余計に感じてしまい咽喉がひくつき、小さく声が漏れた。その反応に気づいたか、顔を抑つけていただけの両手が喉に浮き上がる筋を優しく撫で上げてくる。鎖骨の窪みを確認するように指がくるりと這わされ、鎖骨に沿って肩へと撫であげていく。
その間も絶え間なく聞こえてくる湿った音。
心臓の脈打つ音が早くなっていく。
真綿で首を絞めつけるように追い立てられ、下腹部に集まり始めた熱。間違いないと自覚されられ、居た堪れない。

まずい…。
せめて今すぐにでも意識を失えたら…。

現実は容易く意識を失うことは叶わず、ただ耐える以外術がない。
だが、絶え間なく与えられる中途半端な刺激に反応した体の変化を隠せる筈も無く。上気し始め赤く染まり始めた頬、熱を孕み始めた息。その変化にを見逃すことなく、寧ろ応えるように手で胸全体を覆い、胸の感触を確かめるように揉み始めた。
顎を反らしぎりぎりと奥歯を噛み締め歯噛みする姿に反し、ジョセフによる一連の所作に呼応するように、服の上からでも分かるくらいに固く立ち上がった乳頭。それに触れ、ジョセフは緩やかに口許に弧を描き、少しだけ強めに耳朶を食む。くぐもった声があがり逃れようと体が反らされ、胸元が突き出された。限界にまで反らされた平らな胸に、舐めてくれとでもいうように主張してくる其れを、触れるか触れないかの微妙な手付きで円を描くよう撫で上げていく。
熱く固いものが当たり、触れた途端、唸り声と共に肉の裂ける音が聞こえてきた。
「恥ずかしいのか?ヘルマン」蹴りあげてくる足を掴み
「そういう反応も悪くはない」揶揄を含んだ声で囁き先程傷つけた膝の辺りへと触れ、場所を確認するように治癒しかけた其処を抉る。
顎を反らしたままぐうと唸り口元を歪めたヘルマンに対し、
「これが最後だ」言い聞かせるように優しく囁き、膝頭を掴む。

これから行う事に足掻きや抵抗は煩わしいだけだ。
ここで完膚なまでに…。

握り潰すような音が響いた次の瞬間、目を見開き、吼えるような悲鳴を上げ全身を打ち震わせる。その間も与えられる痛みから逃れるべく打ち付けられた両腕を引き剥がそうと暴れ始めた。

まだ完全に潰し終えてはいない。

苛立ちを示すように反対側の手で顔を引き寄せ頭突きをくらわし、それでも諦めようとしないそれを煩わしいとでもいうように鳩尾を殴りつけ、黙らせた。
苦悶の表情を浮かべ、最後には力尽きたようにがくりと頭を落とした。微かに漏れ聞こえる嗚咽。地面の色がぽつりぽつりと濃くなっていく。それに合わせるかのように肩が揺れる。
砕かれた足を庇うように傾き、壁に張り付けられた状態のヘルマンの髪を掴み引き上げた。

「弱いからだよ。ヘルマン・ザルツァ。弱いからこうなる」

引き上げられた状態の中、唇が微かに戦慄き、洩れ聞こえてきた言葉にジョセフは鼻で笑ったのだった。

頭が朦朧とする中、認めるべきであっても受け入れたくない事実を突き付けられ拒絶した。
微かに聞こえてくる笑い声に怒りを覚えても、体は重く思うように動かない。

一縷の望み、違う……どうしてもゲルトのためにも目の前の敵に一矢報いたい、だけだ。

唸り、まだ健在の方の足で地面を踏みしめ、無理矢理体勢を整えた。
霞む視界の先に標的を確認する。

「まだ受け入れる事無く反抗する…か。そういう意味では、本当に期待を裏切らないな」

伸ばされた腕に突かれ、後頭部から壁に衝突し、脳が揺れる。衝撃で顎が上がり新たな痛みに呻き声が漏れた。

視界が急激に狭くなっていく。それだけだった。

漸く、大人しくなったそれへ手を伸ばし、ゆっくりと愛撫を開始する。
痛みと多量の失血で理性を保てなくなっている体は容易に熱を増し、呻き声は吐息にすり替わっていく。
立ち上がった乳頭をつままれ、裏返った声が漏れる。しつこいくらいに弄り弾いてやる。
それだけで腰を揺らし始め、もっとと強請ってきた。
その様を揶揄するように
「融合体になってからご無沙汰だったか、それとももともと好き者だったか?」呟く言葉に反応する事無く、体を寄せてくる。
熱をもち、固く立ち上がったそこを布地越しから触れてやれば、鼻を鳴らしその先をと強請るように腰を突き出し擦り付けてきた。

血で濡れそぼった修道服へ手がかけられ一気に引き裂かれる。
それに対して特に感慨を受ける感じも無く、ヘルマンは恍惚の表情を浮かべるだけだった。

[148] イヲリ (2008/09/11 Thu 01:51)

[87] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 イヲリ 2008/08/26 Tue 00:15res
┗[88] まだおわってないんだよぅ イヲリ 2008/08/26 Tue 00:26
┗[89] おっと。 はんちょ 2008/08/26 Tue 07:23
┗[90] かっこよいっす! hanage3 2008/08/26 Tue 15:11
┗[91] Re^4: がんばっノシ イーゴ 2008/08/26 Tue 20:47
┗[103] がんばるぅー! イヲリ 2008/08/27 Wed 17:52
┗[147] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版001 イヲリ 2008/09/11 Thu 01:50
┗[148] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 修正版002 イヲリ 2008/09/11 Thu 01:51
┗[221] 切望 暴走黒×赤(銀黒前提)003 イヲリ 2008/09/19 Fri 17:54
┗[222] Re^9: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 wald640 2008/09/19 Fri 18:38
┗[223] いいっす〜 null 2008/09/20 Sat 00:00
┗[226] Re^11: 切望 暴走黒×赤(銀黒前提 パラディン 2008/09/20 Sat 07:35