混沌たる悪夢の中で(ザーギン×ジョセフ×マレク 3P)

ザーギンにうながされ、マレクはジョセフの服を嬉々として脱がせ始めた。両足を少し開くとその間にうずくまり、ズボンも取り去るとジョセフのモノを取り出した。自分の着ているトレーナーを脱ぎ捨てると、嘲笑うかのような上目遣いでジョセフを見上げながら、見せつけるように舌を出して根元からゆっくりと舐め上げる。それを繰り返すうちにペニスはみるみるうちに勃ち上がり、先走りがじわりじわりと溢れてくる。舌と口だけでジョセフの雄をしゃぶりながら、空いた両手で靴を脱ぎ、ズボンと下着を脱ぎ捨てると、パンツの下から出てきたマレクの肉茎も先走りで濡れそぼっていた。先端に溜まった汁をじゅる、とわざと大きな音を立てて吸い上げると、ジョセフは切なげな吐息を漏らす。
 「ああ……ん……はぁぁ」
 やがてその目が欲情にうるみ、焦点が合わなくなってきた頃、ザーギンはおもむろにジョセフの頭のすぐ脇に膝をついた。そして自らの逸物を取り出すとジョセフの頭を持ち上げ「舐めろ」と促した。既に抵抗の意思の消え失せたジョセフは、ザーギンの逸物をおめおめと口の中に受け入れ、素直に奉仕し始めた。口の中にザーギンの雄の臭いが充満し、それだけでジョセフの頭は霧がかかったようにますます茫洋としていく。
 「マレク、後ろも構ってやれ」
 「はい」
 口だけでジョセフの雄に奉仕しながら、自分の後ろの孔や若茎をいじって慰めていたマレクは口と手を止め答えた。べたべたになったジョセフの逸物から涎と先走りをすくいあげると、指をジョセフの尻の奥に伸ばす。
 「んうっ!?」
 急な刺激にジョセフの目が見開かれる。だがその瞬間、ザーギンの手がジョセフの頭をつかんで欲望を喉の奥までぐいと押し入れた。
 「ふぐううっ!」
 再び頭を掴んで欲望を引き出すと、再び突き入れる。口を性器のように犯されて、ジョセフの目から生理的な涙が流れ落ちる。
 その間にマレクの指はくちゅくちゅと音を立ててジョセフの尻穴を出入りする。合間に亀頭を口に含んで舐め回すのも忘れない。上と下を同時に犯され、許容量を超えた快感と苦痛にジョセフの意識は焼き切れそうだった。
 ザーギンの欲望は容赦なくジョセフの口を犯し続け、その勢いは段々早く、激しくなってくる。そしてそれが最高潮に達し、あわや出る、という瞬間、ザーギンは己の肉棒を勢いよく引き抜いた。間髪を入れずジョセフの顔におびただしい量の精液とむせるような臭いが降り掛かる。
 「くっ……あああっ!」
 「うっ、むぐっ、んく…んく…」
 その途端、ジョセフの肉茎もびくりと脈打ってマレクの口の中に精を吐き出した。マレクは慌てる事なく肉棒をしっかりと咥え込み、ジョセフが出したものを音を立てて飲み込んだ。が、いかんせん量が多過ぎて全てを飲みきれず、口の端からこぼしてしまう。
 「仕方のない子だな」
 ザーギンはマレクの元に歩み寄ると、彼の前にかがみ込み、口の周りについた欲望の残滓をぺろぺろと舐めとってやった。
 「すみません…ザーギン様」
 ついで口の中にも舌を入れ、ちゅっと軽く吸ってやる。そんな二人を、ジョセフは顔にかけられた白濁を拭う事も忘れて、どこか遠く離れた場所のことのように見ていた。
 「ジョセフ、まだまだいけるよね? 僕もう早く挿れてほしくてたまらないよ…」
 今しがた欲望を吐き出したばかりのジョセフの男根を弄くりながら、マレクは欲に上ずった声で囁いた。
 ザーギンはジョセフの足を押し開くと、既に準備万端整った逸物をジョセフの後ろの孔に押しあてた。そしてそのままゆっくりと挿入する。
 「ぐうっ…あ、ああ…」
 だがザーギンのモノはあまりに大きく、十分に慣らしたそこですらなお狭い。快楽を上回る痛さに、ジョセフのいきり立った逸物が萎えそうになる。
 「ジョセフ? 萎えたりしたら許さないよ」
 ジョセフの脇に手をついて四つん這いでのしかかるようにしながら、マレクが自分の尻穴を押し広げてジョセフの巨根を当てがい、ゆっくりと腰を落としていく。
 「く……うう」
 後ろを犯される痛みに、自分のモノを絞り上げられるような痛いほどの快感も加わり、ジョセフは今度こそ気を失いそうになる。思わず自分の中のザーギンのモノをぎゅっと締め付けてしまう。
 「く…いい締め付けだ。ジョセフ、君の中は最高にいい」
 「ジョセフ、今すごいいやらしい顔してる。ぞくぞくしちゃうよ」
 心身共に二人同時に責められ、羞恥と屈辱と快感でジョセフの頭はおかしくなりそうだった。
 「どうした、もう限界か? お楽しみはまだまだこれからだというのに」
 そう言ってザーギンは腰を動かし始めた。最初はゆっくりと、だが段々と早く。それに合わせてマレクもジョセフの上で淫らに腰をくねらせる。マレクの小さな後孔が痛ましいほどに押し広げられ、壊れてしまいそうに歪む。
 「すごい…ジョセフの大きいのが僕の中でどくどくいってる…」
 「あああっ、あああああ!」
 限界をとうに越えた快感に、ジョセフは恥も外聞もなく声を上げ続けた。目を開けているのか閉じているのかも分からなくなり、喘いでいるのが誰なのか、ぶつかり合う肌は誰のものなのか、感じているのが自分なのか、それとも他の誰かなのか、上になっているのか、下になっているのか、乗っているのか、乗られているのか、何もかも、分からなくなっていった。
 「くっ…」
 「くぅ…あああ」
 「ああ、出る、出てる、僕の中でジョセフの熱いのがいっぱい出てる! あああああ!」
 何もかもが混沌としていく意識の中、自分のものか他人のものかも分からなくなった感覚の中、どくりどくりと精を吐き出す感触と吐き出されるのを、交錯しあい浸食しあい交差しあう感覚で感じながら、自分自身もその混沌の中にとけ込んでいった。

 次に気付いた時、ジョセフの視界に最初に入ってきたのはコンクリートの薄汚れた床と、その床についたデモニアックの両手だった。
 ジョセフには自分が目覚めているのか、それともまだ夢を見ているのか分からなかった。
 辺りを見回すと、コンクリートと鉄筋がむき出しの広い空間が、融合体の群れで埋め尽くされている。するとここはもう夢の中ではないのか。
 だがジョセフが見上げた先の、天井の鉄筋の梁の上にマレクが立っていた。ジョセフを見下ろし、侮蔑と憎悪に満ちた口調で吐き捨てる。
 「これで終わりだと思ったの? あんたの悪夢は終わらないよ、あんたが生き続ける限り、ずっとね!」
 「うぐあああああああ! ぐああああああああ!」
 夜の闇を震わせ、ジョセフの咆哮が辺り一帯に響き渡る。
 悪夢と幻覚と現実は互いの領域を侵しあい、混ざり合っていく。もはやジョセフには、それらの区別はつかないようになっていた。ただ自分が狂い、壊れていく様を、感じていくことしか、できなかった。

Fin.

[112] 640 (2008/08/30 Sat 15:40)

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