えー、グロはありませんが、半端なく一片の躊躇もなく残酷です。
救いもへったくれもありません。痛いです。後味悪いです。暗いです。
覚悟の上でお読みください。
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「待…て…、ザー…ギン…、ザァァ…ギン…ッ」
遠ざかる背中に向かって手を伸ばし、喉から声を絞り出した。声を出した途端、抉られた脇腹から走った激痛で意識が途切れそうになるのをすんでのところで踏みとどまる。だが、ジョセフはここでザーギンを逃すわけにはいかなかった。その意思だけで辛うじて意識をつなぎ止める。
「驚いたな、まだそれだけの声を出せる気力があったとは。少し刺激が足りなかったかな?」
割れた壁をくぐりかけたところでザーギンが振り返り、再び教会の中に入る。だが、向かった先はジョセフとは別の方向だった。
「何か別の刺激が必要かもしれないな。なら、こんな趣向はどうだい?」
ジョセフから少し離れた床の上で気を失うマレクの腕をつかんで床からひきずり上げると、ジョセフの目前の少し離れた床の上に乱暴に放り投げた。床に打ち付けられた衝撃で、マレクが呻きながらかすかに目を開ける。
「何を…!」
「これのことを随分と気にかけているみたいじゃないか。だったら…」
床に転がるマレクの傍らに跪き、シャツの襟首に手をかけると、マレクの口から「ひっ」とおびえたように息をのむ声が漏れる。
「壊してしまったなら、君はどんな顔をするかな?」
そのまま一気に引き裂いた。マレクは怯えきっているのか、それとも先の戦闘で受けたダメージで声を上げる力も残されていないのか、抵抗するそぶりすら見せない。
「やめろ! マレクは関係ない! 手を出すな……ッ! ゲホッゲホッ」
ジョセフは痛みも忘れて叫び、激しく咳き込んだ。辺りに赤黒い血飛沫と新たな血の匂いがまき散らされる。今度こそ激痛とショックで目の前が真っ白に霞みかけるが、すんでのところで持ちこたえた。
「まったく…そんなに簡単に気を失ってもらっては困る。何もかも、まだまだこれからだというのに」
「いや…だっ、やめ…ろ…」
次いで機械的な手つきでマレクのズボンを下着ごとはぎ取る。自分がこれから何をされるのか悟ったマレクが弱々しい声で抵抗する。
だが先ほど完膚なきまでに叩きのめされ、既に満身創痍で動く事すらままならないマレクの抵抗は、もはや抵抗と呼ぶにもおこがましいほどの弱々しいものでしかなかった。
「どのみちその身体では、動くことはできないだろう。君はそこでゆっくり見物しているがいい。これから起こる事を」
「嫌だ…っ、嫌だよ…っ、助…けて……助けてよ…ジョセフ……」
目に涙を浮かべ、助けを求めるマレクのあまりの痛々しさに、ジョセフは己の傷の痛みも忘れて這いよろうとした。だが身体は自分の物ではないように重く、一寸たりとも動けない。伸ばそうとした腕も届かない。
「愚かな。その傷で何が出来る? いいから黙って見ていたまえ。どうせ君には何もできないのだから」
「くっ…… お…の…れ……っ」
何も出来ない己の無力さに憤り、歯茎が破れるほどの強さで歯を食いしばる。ジョセフはすぐ目の前で恐怖に打ち震える少年の両足がザーギンによって押し開かれ、その秘所が白日の元に晒されるのを、目をそらすこともできずに見ていることしか出来なかった。
「前は初物か。この年では無理もないことだろうが」
「っ…ひっく……うう…っ……うええ…っ」
マレクのまだ皮を被ったままの性器が、淡い鳶色の茂みが、奥に窄まった穴が、ザーギンの視線の元に容赦なく晒される。あまりの羞恥と恐怖に堪えきれず、マレクは泣き出してしまった。
「この分では後ろは確かめるまでもないな」
そう言いながら自分の指を嘗めて十分に濡らした後、まだ誰の侵入も受けた事のない奥の穴にずぶりと中指を差し入れる。
「ひぐっ! 痛い! 痛いっ!」
「この程度で痛がっていたのでは、この後にくる痛みと苦しみはどれほどのものか…とても楽しみだ」
だがマレクの中はあまりにも狭く、中指一本でも侵入はままならない。潤滑油が必要だな、と一人ごちながら、ザーギンは萎えきったマレクの若茎に手を伸ばす。
「…っふ、あああ、ああ……」
そして男にしては白くて細い指で竿をこすり上げ、場違いなほど優しく繊細な動きで愛撫する。その刺激にマレクの身体は過敏に反応し、カクカクと小刻みに震え始める。萎えきった肉茎からは先走りの液が滴りはじめた。
今度はその先走りを指に絡ませ、中をほぐす作業を再開する。相変わらず慣れない痛みにうめき声をあげていたマレクが、ある一点に触れられた時「ひっ」と声を上げ、身体を震わせた。
「ここか」
何かを探り当てたようなザーギンが、その一点を集中的に探る。そのたびにマレクは身体をビクリと震わせ、切なげな声をあげた。
「ひう…っん、ああ……、はぁ……っ」
更に中を探る指の数を増やしていき、その数が4本にまで増えた頃、ザーギンは指を引き抜いた。
マレクは相変わらず肩を震わせ、既に息も絶え絶えな様子で横たわったままだ。その姿を見下ろしながら、ザーギンはおもむろにズボンの前をくつろげると、勃ち上がりかけた己自身を取り出した。
「あ、ああ…」
それを見たマレクが再び震えだす。少し離れたところで見つめ続けるジョセフにもその様ははっきりと見て取れた。
それは半勃ちの状態でありながら、大きさは既にマレクの萎えたものの倍近くはあった。それを突き立てられたときの苦痛はどれほどのものか。そもそも入るのか。そこまで思い至ったマレクが再び恐慌状態に陥り、泣き叫び始めた。
「いっ、嫌だ! 嫌だ! 助けて、助けてっ! ジョセフっ!」
「……っく、ザーギンっ、止めろっ」
だがそんな彼らを全く意に介さず、ザーギンは自分の逸物をマレクの性器や後腔になすり付けはじめた。それにつれてザーギンのモノは硬さと大きさを増していく。後ろの孔の上をこすられる度に、マレクが小さく悲鳴を上げた。
やがて十分な大きさと硬さになったとき、ザーギンはマレクの片足を持ち上げ、身体と顔がわずかに横を向くようにした。為す術もなく食い入るように見つめるジョセフによく見えるように。
そして脈動する己の分身を、マレクの解きほぐされた秘所に押しあて、
「しっかりと目に焼きつけるがいい。ジョセフ。己の非力のせいで、弱い子羊が引き裂かれるところを」
そのまま一気に貫いた。
「…………かはっ」
圧迫感とショックにマレクは目を見開いた。慣らしたとはいえ、やはりマレクのそこは狭かった。その狭い場所に無理矢理突き入れられて、ぴしりと肉の裂ける音が微かに響く。
「ひぎゃあああああっ!!」
痛みは一瞬遅れてやってきた。既に掠れた声で、それでも振り絞るような悲鳴が上がる。結合部から一滴の血がぽたりと落ちた。次いで血の匂いがジョセフの元まで届く。
「ひぎぃ、い、痛い、痛いぃぃぃぃぃっ」
「や……め……ろ……、やめてくれ! やめてくれっ! ザーギン!」
あまりの惨さに、ジョセフは恥も外聞もなく懇願した。だがザーギンはいっそ穏やかな笑みをはりつけたまま、行為を再開した。今度はゆっくりと引き抜き、時間をかけてゆっくりと挿入する。相手をいたわっての為ではなく、より苦痛を長引かせるために。少し進んでは止まったかと思うと、次の瞬間にはズッ、と奥に進む。その度にマレクは短い掠れた悲鳴を上げる。
「やめてくれ……たのむ……後生だ……」
消え入るような声で、自らも涙を目に浮かべながら懇願するジョセフの声は、すすりなくような声にとって代わっていく。
「ひぐ…っ、ううう…っ、痛……い…っ、痛…いよ…苦しいよ……助…けて…ジョセ……フ………助…けて……よ」
とうの昔に息も絶え絶えとなっていたマレクには、もはや悲鳴をあげる気力すら完全に失せていた。ぎゅっと閉じられた眦からは涙があふれるに任せ、ただ泣きじゃくりながら突き上げられ、揺さぶられ、蹂躙されるに任せるしかなかった。
そこには一片の思いやりも慈悲もなく、もはや性交などという生易しいものではなかった。あるのはただ、悪魔に生きたまま引き裂かれ喰らわれる、哀れな生け贄だった。
凄惨な光景を目の当たりにしながら、ジョセフはうつ伏せになった身体の下で己の男根が痛いほどに張りつめているのを感じていた。その事が彼を更なる絶望の淵に追い込んだ。あのような痛ましい姿のマレクを目の当たりにして、止めるどころかよりにもよって劣情するなど、許しがたいことだった。許されないことだった。自己への侮蔑とザーギンへの憎悪で、ジョセフの精神はもはや崩壊寸前だった。
[93] 640/wald (2008/08/27 Wed 00:11)