23話より。ザーギンに犯されるマレクです。
マレクは以前にも、ザーギンに犯された事があるという前提の上で書いております。その辺に関しては、拙作「悪魔の生贄」を参照してください。
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どこまでも広がる荒野の、視界一面を埋め尽くすデモニアックの大群の真っただ中にて。
ザーギンの目の前には、人間形態に戻ったマレクが倒れ伏していた。前回と同じく、今回も身の程知らずにも自分に挑みかかり、そして当然の結果として敗れた、愚かしい少年だ。
自らも変身を解き、人の姿に戻ったザーギンはマレクの傍らにかがみ込むと、彼の顎を掴んでこちらを向かせた。身動き一つ取れないほど弱っているにもかかわらず、マレクは威嚇するように睨みつけてくる。
(まるで手負いの獣だな)
とはいえ、この闘志は賞賛に値する。このまま壊してしまうのは惜しい。そう思ったザーギンは、選択の余地を与えてやることを思いついた。
「今この場で許しを乞い、私と共に来ると誓えば、これ以上手荒な真似はしないが、どうする?」
ザーギンの恩情に対し、マレクは嘲笑と血混じりの唾と共に、拒否と罵りの言葉を吐くことを以て応えた。
「あんたの家来になるぐらいなら、そのフニャフニャの粗チン突っ込まれた方がよっぽどマシだね」
この期に及んで悪態をつくマレクを、ザーギンはむしろ哀れみの感情を込めて見つめた。
「つくづく強情なことだ。流石にジョセフが見立てただけはあると言うべきか。それとも以前、どのような目に遭わされたか、もう忘れてしまったのかな。
ならば望み通り、犯してやろう。そして後悔するがいい。自分の愚かさを」
感情を抑えた声で告げながら、マレクの身体を仰向けにひっくり返すと、ジーンズを下着と一緒に脱がせた。そして両膝が胸につくまで脚を押し広げる。無防備かつ屈辱的な体制にもかかわらず、マレクは相変わらずザーギンを睨み据えたままだ。
「この期に及んでまだ意地を張れる気力が残っているとは大したものだ。だがそれもいつまで持つかな?」
既に動く力も残っていないのか、マレクは抵抗する素振りも見せずにされるがままになっている。だがその眼に浮かんでいるのが、恐怖でも怯えでもなく、かと言って諦めでもない覚悟のように見えるのは、どういうことだろうか?
とはいえ、相手が強情であればあるほど、それを打ち砕いてやったときの征服感は大きい。そう考えながらザーギンは、見せつけるように自分の指を舐めて濡らした。硬く閉ざされた菊門にずぶりと中指を突き立ててやると、マレクは流石に苦痛に顔を歪めた。それでも悲鳴を漏らすことはない。ザーギンにはそれが精一杯の抵抗であるかのように見えた。
(まあいい、いずれ泣き叫んで許しを乞うだろう。お楽しみは先に取っておくとしよう)
以前ザーギンによってむりやり押し広げられ、蹂躙されたマレクのそこは、今度はさほど抵抗もなくザーギンの指を受け入れた。だが中の狭さは相変わらずで、以前の傷も跡形もなく治っているようだ。この分では挿入した時にかなりの痛みを与えることができるだろう。
マレクの後孔をほぐすのもそこそこに、ザーギンは片手でズボンの前をくつろげて己の逸物を取り出す。軽くしごいて勃たせた後、そのままマレクの後孔に軽くつつくように押し当てると、マレクの体が一瞬ぴくりと強張った。
流石に虚勢を張りとおすのも限界になったかと思い、マレクの顔を見ると、口許をぎゅっと引き結んだまま、あらぬ方向の空をじっと見ていた。
「ジョセフに抱かれているとでも想像しているのかい?」
「……そんなんじゃない」
相変わらず不貞腐れたような目で、明後日の方向を向いているが、その声にかすかな震えが含まれているのをザーギンは聞き逃さなかった。
「最後にもう一度聞こう。許しを乞い、私の僕となる気は?」
「……」
マレクは相変わらず横を向いたまま、沈黙を以て応えた。
「なら好きにするがいい。泣こうが喚こうが、ここには聞き咎める者も気にする者も誰もいないのだから」
そしてそのままマレクの後孔に、ずぶりと音を立てて欲望を突き入れた。
「あううううう…っ」
流石に耐えきれなかったのか、マレクの口から抑えきれない悲鳴が洩れる。わざとろくに慣らしもしないで無理やり入れたため、挿れている自分の方も痛いほどだ。恐らく挿れられているマレクの方はそれを遥かに上回る、それこそ身を引き裂かれるような苦痛を感じているだろう。
「あうう、あっ、あっ、あああっ!」
そのまま無理やり腰を押し進めると、マレクは目を限界まで大きく見開き、短い悲鳴を上げ続けた。ぶつりと中が切れる手ごたえがあり、やがてつながった部分からぽたぽたと血が垂れてきた。
血である程度すべりが良くなったのを助けに、そのまま最奥まで押し進める。やがてザーギンの肉棒がすべてマレクの内に収まった後、マレクの方を見ると、額に脂汗を浮かべてぐったりと身体を投げ出し、息も絶え絶えな様子で目を閉じて浅い呼吸を繰り返している。目もとには涙が滲んでいた。
「苦しいかい? その強情を手放してしまえば、こんな苦しみを味わうこともなかったものを」
そう言うと、マレクが涙にぬれた目できっとザーギンを睨んだ。この期に及んでそれだけの気力が残っているとはむしろ感服に値すると、ザーギンは思った。
「まあいい、時間はたっぷりある。お楽しみはまだまだこれからだ。君の虚勢がいつまで持つか、愉しませてもらうよ」
そしてそのまま抽挿を開始する。最奥まで押し込んだ肉棒を引き抜き、ぶつけるように再び深々と貫く。最初は滑りの悪かったマレクの中は、彼の血とザーギンの先走りで次第に滑りがよくなって行く。それによりザーギンの穿つ速度は次第に早くなっていく。
「あ、う、あ、あ、あ、あっ」
突き入れられる度に、引き抜かれる度に、マレクが短い悲鳴を上げる。だがその声もザーギンにとっては、嗜虐心をそそるだけのものにしかならない。
「君がこんなに辛い目に遭っているというのに、あの男は、ジョセフはまだ寝ているつもりなんだろうかね」
ジョセフの名前を出してやると、激痛に息も絶え絶えになっていたマレクがはっと目を開けた。
「君だけじゃない、世界が終わろうとしているというのに、彼にとってはそれすらどうでもいいんだろうね。それとも、世界が終わるまで寝ているつもりなのかな」
「ジョセフは……そんなんじゃない」
今にも泣き出しそうな目でザーギンを睨みながら、マレクは言葉を絞り出した。
「あんたみたいな、何もかも諦めて、ヤケッパチになってるだけの弱虫とは違う!」
その瞬間、ザーギンの表情がふっと消えた。
「なにが違うというのかな。僕と、あの寝ているだけの彼とは」
「あぐうっ!」
今度は別の角度から抉るように肉棒を突き入れられ、マレクが悲鳴をあげた。
「どうやら君は、まだ自分の立場が分かっていないようだ。いいだろう。その減らず口が大人しくなり、泣き叫んで許しを乞うまで、犯し続けてやろう」
そして抽挿を再開した。今度は腹を突き破らんばかりの激しい勢いで、容赦なく責め立てる。
「うううーっ、あぐぅぅぅぅ…っ」
激しく貫かれ、揺さぶられるマレクは、涙を流し、食いしばった歯の奥から呻き声を洩らしながら、それでもザーギンを睨みつけてくる。
(まるで、殉教する聖者だな……)
犯しながら、ふとザーギンはそう思った。そしてその眼差しに妙な既視感を覚える。以前にも似たような目をみたことがあると。
(まあいい。そのぐらいの方が犯しがいがある)
思考を中断し、目の前の獲物を貪ることに集中する。限界が近くなっていた。絶頂に向けて、腰の動きを更に早め、そして…
「……っく、出すぞ……っ」
「あああっ!」
マレクの中に、たっぷりと精を解き放った。
[227] wald (2008/09/23 Tue 15:46)